ヘーゲル米国防長官は15日の記者会見で、北朝鮮のミサイル開発を念頭に米西海岸のミサイル防衛システムを強化する方針を明らかにした。現在アラスカ州にある26基の地上発射型ミサイル迎撃システムに加え、新たに14基を設置し、カリフォルニア州の4基と合わせて計44基体制にする。配備は2017年までに終えるという。ヘーゲル長官は迎撃システムとは別に、北朝鮮のミサイル発射をより早く探知するための先端レーダーシステムを日本に設置する計画も明らかにした。
ミサイル防衛は、敵国から発射された弾道ミサイルの弾頭に迎撃ミサイルの弾頭をぶつけて破壊することで、自国を守るシステムのことだ。
今回のミサイル防衛の強化は、北朝鮮の新型ミサイルKN-08を念頭に置いたものと見られる。KN-08は北朝鮮が昨年4月に公開した新型ミサイルで、米統合参謀本部のウィネフェルド副議長は「おそらく、アメリカ到達の射程がある」と推測している。KN-08の試射はまだ確認されていないが、米国は北朝鮮の兵器開発を先回りして備える方針だ。
KN-08の最大の特徴は、移動式である点だ。移動式ミサイルは、迎撃の最低条件である発射の早期確認が難しく、米本土が北朝鮮のミサイルに脅かされる事態を招きかねない。ウィネフェルド副議長は、北朝鮮の脅威が「われわれの予測より、やや早く進行した」と指摘している。北朝鮮の最近の核実験や長距離ミサイル実験などの動きを、アメリカは真剣にとらえている。
もし北朝鮮が、KN-08のような大陸間弾道ミサイルを配備すれば、アメリカは北朝鮮を無視できなくなるだろう。
日本も他人事ではない。中国に加え、北朝鮮までもがアメリカを脅かすミサイルを手に入れれば、日本は「切り分けられるケーキ」のような状態になり、中国や北朝鮮の影響下に組み込まれてしまうことも考えられる。日本の安全を死守するためにも、日米の協力を強化しつつ、「自分の国は自分で守る」体制の構築を急がなければならない。(飯)
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2013年1月27日付本欄 北朝鮮のミサイル ほぼ独自技術でアメリカ本土にも届く