ユーロ危機の中で、ドイツ経済が際立って底堅い。各国が雇用問題と財政不安に苦しむ中で、失業率は5%台にとどまり、10年物の国債金利も1%台の超低水準を維持している。しかし、ドイツは危機に陥ったユーロ各国に財政再建を迫ってきたが、その"独り勝ち"ぶりに「独善的になった」という批判も付きまとう。その根底にあるのは、欧州を席巻したナチスの様なドイツが戻ってくるのではないかという不安だろう。

たとえば、伊イル・ジョルナーレ紙は昨年8月3日付紙面の一面で、メルケル独首相が挙手する写真の上に「第4帝国」という見出しを載せて、首相の挙手がナチス式敬礼であるかのように演出した。記事は、ドイツが単一通貨を有利につけ、経済力でユーロ圏での影響力を強めていることを牽制している。

・・・・・・(2ページ目から全文をお読みいただけます)