中東のイエメン沿岸で拿捕されたイラン船が、中国製の地対空ミサイル10基を積んでいたことが明らかになった。米ニューヨーク・タイムズ紙などが報じている。イランはこのミサイルを、支援しているイエメンの武装組織「ホウシ(Houthi)」に届ける予定だったと見られている。アルカイダ系のテロリストの根城になっているイエメンでは、アメリカと合同でのテロ掃討作戦が進められている。

QW-M1と呼ばれるこの地対空ミサイルは、携帯式で肩越しに発射し、飛行機などを狙う種類のもので、携帯式防空ミサイル・システム(MANPADS)とも呼ばれる。中国はこれまでも、パキスタンやイランなどと武器の取引を行ってきたが、MANPADSが過激派の手に渡ることはあまりなかった。しかしここ5年ほどの間に、アフガニスタンのタリバンやイラクの武装組織が、中国製のMANPADSを使用しているのが確認されている。

特定の国に圧力をかけるために、中国がその国で活動する武装組織を支援するケースもある。ミャンマー北部には、少数民族が分離独立運動を進めるワ州という自治区があり、ワ州連合軍という組織が実質的に支配しているが、このワ州連合軍に中国は昨年、軍用車やMANPADSを提供した模様だ。これまで中国と親密な関係を築いてきたミャンマーだが、中国主導で進んでいたダム開発プロジェクトを中止した2011年ごろから、国内の自由化を進め、アメリカとの関係強化に動いてきた。中国のワ州連合軍への関与は、アメリカに接近するミャンマーを牽制する意味合いがあると見られる。

中国が過激派や武装組織に武器を提供するのは、アメリカの覇権への挑戦であるように思える。イスラム過激派によるテロの掃討に手こずったり、親米国の体制が揺さぶられれば、やがてアメリカの力の低減につながっていく。

過激派への武器供与など、中国が世界各地でアメリカに対する揺さぶりに出ている以上、日本もその舞台にされている危険がある。沖縄での反基地運動や反オスプレイ運動、琉球独立運動には、中国側の工作が関わっていると噂されているが、運動を行っている団体の背景について注視する必要があるだろう。

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