政府の教育再生実行会議が26日に開いた会合で、「道徳の教科化」が提言された。いじめ問題の対策をする上で、本質的な解決策として、道徳教育の充実が必要とされたためだ。
現在、道徳は小・中学校で週1時間の必修となっているが、正式な「教科」ではない。そのため教科書はなく、文科省が作成した「心のノート」や各自治体や教科書会社が作成した「副読本」、新聞記事などが教材として使われており、指導内容や指導方法にばらつきがあることが問題となっている。
道徳教育の教科化は2007年、第一次安倍内閣の教育再生会議においても提言された。しかし、一般的に学校の教科は「専門の教員、教科書、数値等による評価」が必要とされる。当時は「数値評価にそぐわない」「価値観の押しつけになる」などの理由で教科化は見送られた。
今回は、いじめ問題が深刻化していることなどから、教科化が再検討された。数値評価は教科化のために必ずしも必要とされているわけではないとして、前提としない。今後、専門教員の育成と教科書の検定について、有識者会議が行われる予定である。
しかし、いじめ対策を行う上では、道徳だけでは足りない。大川隆法・幸福の科学総裁は著書『教育の法』で次のように説いている。
「道徳では、『なぜか』ということ、『なぜ、そうしなくてはいけないのか』ということが、どうしても示せないのです。やはり、仏神、仏や神のことから始めて、あの世とこの世があること、人間の正しい生き方、そして、『死後に天国も地獄もあるのだ』ということ、ここをきちんと教えないと、いじめ対策はできません。根本的には、ここなのです。これを信じていない人には、他の人の指導はできません。『正しい心』は教えられないのです。『これをしてはいけません』『ルールを守りましょう』ということだけしか言えないのです」
道徳を教科化し「やっていいことと悪いこと」をルールとして示すのは、いじめ対策として一歩前進ではある。だが、そのルールの根拠である「なぜ」を分からせるには、教員の側が仏神や天国・地獄など、善悪の根源である宗教的真理を信じ、本心から児童生徒に伝える必要がある。戦後、GHQ主導で公立学校から追い出された宗教教育を復活させることこそ、いじめ対策の根本だ。(晴)
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2012年7月12日付本欄 大津いじめ事件で強制捜査―すでにある「いじめを解決する教育」とは
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【参考書籍】
幸福の科学出版HP 『教育の法』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=49