2013年4月号記事

知らぬ間に「左翼思想」に染まる子供たち

国語教科書が危ない!

自虐史観に満ちた「歴史教科書」の問題はすでに多くの人が知っているだろう。しかし、意外と知られていないのが「国語教科書」の問題だ。今、小学校や中学校で使われている「国語教科書」を見ると、あまりにも左翼的な思想に偏向していることに驚く。なぜ、このような教科書がまかり通っているのか。なぜ、放置されたままなのか。あるべき理想の国語教科書とあわせて考えてみた。

(構成 村上俊樹/取材・文 河本晴恵)

「息子の国語教科書を見てびっくり。無情で報われない話ばかり載っているんです」

小学校4年の子供を持つ神奈川県在住の母親(46歳)はこう話す。彼女は息子が3年生の時、音読の宿題で国語教科書の『ちいちゃんのかげおくり』を音読しているのを聞いて、心配になった。

「4人家族のお父さんが戦争に出た後、残された家族も空襲に遭い、ちいちゃんも亡くなり、天国のようなところで家族と再会するという話です。こういう救いのない暗い話を繰り返し音読することが子供の教育にいいことなのか心配になりました」

これをきっかけに、彼女は他の学年の教科書を見てみた。小2の『スーホの白い馬』は、少年がかわいがっていた馬を王様が取り上げ、馬は少年のもとに帰ってくるが死んでしまい、少年はその骨で楽器の馬頭琴をつくるという話だ。

小4の『ごんぎつね』では、 兵十という男にいたずらをしたごんぎつねが後悔して、償いの気持ちからこっそりと供物を届けるものの、その思いは伝わらず、兵十に誤解されて撃たれて死んでしまう。

いずれも定評のある感動的な作品ではあるが、冒頭の『ちいちゃん~』は、典型的な平和教材(注1)として有名な作品で、こうした後味が悪い作品ばかりが並ぶと、さすがに異常に見えてくる。

この母親は、 「国語教科書には、何かを成し遂げた話や英雄の話はほとんど載っていない」ことを不思議に感じた という。

(注1)戦争被害を題材に、平和教育を行うための教材。