北朝鮮が3回目の核実験を行った12日、イランの技術者であるモフセン・ファフリザデ氏がその様子を視察したという。ファフリザデ氏は2006年に国連安全保障理事会から「イランの核あるいはミサイル開発に携わる人物」と名指しされ、出入国の制限を受けている。英紙サンデータイムズなどが報じた。

イランは北朝鮮の「ノドン」をモデルに「シャハブ3」という中距離ミサイルを開発。ファフリザデ氏は、これに搭載可能な小型核弾頭の開発責任者と言われている。イランは、今回の核実験の視察についての交渉を2012年11月に行い、引き換えに約9億4千万円を支払う約束をしたという。ファフリザデ氏は中国経由で北朝鮮に入国した模様。

北朝鮮とイランのつながりは古い。1980年代のイラン・イラク戦争時にアメリカから武器の輸入を止められたイランは、北朝鮮からミサイルを購入していた。その後も関係は続き、2006年の北朝鮮のミサイル実験時にもイランの技術者が立ち会っていたという。

北朝鮮はパキスタンとも兵器の開発で関係があり、1990年代から2000年代初めにかけ、ウラン濃縮の遠心分離器開発などで協力関係にあったという。

パキスタンが1998年に行った6回の核実験で、地震波の波形から、先の4回はプルトニウム型、あとの2回は濃縮ウラン型だったと見られているが、このウラン型の実験は北朝鮮のためだったという説がある。また、1998年のパキスタンの実験と、今回の北朝鮮の実験とは、地下壕の配置などが似ており、パキスタンから北朝鮮への技術の移転が伺われる。

イランやパキスタンなどの反米の国々に核兵器を売る計画があって、北朝鮮がミサイルや核兵器の実験を強行しているという見方もあり、「イランが北朝鮮から核兵器を輸入するのではないか」と、イランと対立するイスラエルは神経をとがらせている。

こうした核の拡散により、自由や人権を十分に認めない国が核を自由に手に入れたら、核による脅しばかりか、「核戦争」が現実化しかねない。(居)

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