公明党の山口那津男代表が25日、中国共産党の習近平総書記と会談した。だが山口代表は、懸案の尖閣問題や歴史問題について主張すべきことを主張しないばかりか、安倍首相の親書を渡す際に深々と頭を下げる姿が海外メディアで報じられるなど、日本側に負い目があるかのような印象を与えてしまった。

26日付の大手紙には、会談時の山口代表の具体的な発言内容は、挨拶以外ほとんど紹介されていない。同日付公明新聞が詳しく報じている。

同紙によると、尖閣問題について習氏は「立場、意見が違うが、対話と協議でコントロールしつつ問題解決すべきだ」と主張。これに対し、山口代表は「立場の違いがあるのは事実だが、外交上の問題は対話を通じ冷静に対応していけば必ず解決できる」と話した。

だが、一方的に尖閣を奪いに来ているのは中国である。「冷静に対応していけば必ず解決できる」という言葉からは、日本と中国が尖閣に対して領有を主張する権利を、対等に持っているかのような誤解を与える。

また、日中の歴史問題について、習氏が「直視していくことが未来につながり、これまでの教訓を生かして慎重に対応してほしい」とけん制したのに対し、山口代表は「日中共有の認識を踏まえて対応し、後世に伝えていくことが大事だ」と応えた。

この言葉もおかしい表現だ。「日中共有の認識」とは何なのか。「南京大虐殺で30万人が犠牲になった」という中国共産党のでっちあげを共有するということか。政治や外交は「言葉の勝負」である。その意味において、今回、山口代表は敗北したと言える。

そもそも、習氏との会談が決まったのは始まる1時間半前であり、習氏が日本側を手玉に取っていることを内外にアピールする材料にされた。これでは、日本の連立与党の一方の党首が、中国に「朝貢」したようにしか見えない。

その証拠に、26日付英フィナンシャル・タイムズ紙の1面トップには、山口代表が深々と頭を下げて習氏に親書を渡す写真が大きく掲載された。また中国国内では、同じ場面の写真がネット上に出回り、溜飲が下がったと喜ぶ書き込みが相次いだという。

山口代表は訪中に先立ち、中国の主張に沿った「尖閣棚上げ論」を口にして批判を浴びた。それ以前には鳩山由紀夫元首相が「係争地」などと発言し、南京大虐殺記念館で頭を下げた。さらに、来週28日からは、村山富市元首相や加藤紘一・元自民党幹事長ら親中派が訪中する。これ以上、国益を損なう可能性の高い人々が外交の場に出ることはやめていただきたい。(格)

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