第85回アカデミー賞・長編アニメ部門で審査対象作品となっていた、「神秘の法」(製作総指揮・大川隆法、幸福の科学出版作品)は10日、ノミネートには至らなかった。だが、現地のアメリカでは、映画関係者向けの試写会で高い評価を得、盛り上がりを見せたという。
同映画は、日本をはじめとする周辺国が、アジアの軍事独裁国家「ゴドム」に占領されていく姿を描いた近未来予言映画。台湾を連想させる「南台」が占領され、日本も沿岸部から侵略を受けてしまう。その危機に対し、インド人の僧侶に「再誕の救世主」と告げられた主人公・獅子丸翔が立ち上がるという内容だ。
作品の総合プロデューサーを務めた松本弘司氏によると、映画関係者を対象とする同映画の試写会を昨年12月に、ロサンゼルスとニューヨークで計4回開催。この手の試写会では、通常、本編が終わり、エンドロールが流れ始めると多くの人が席を立つと言われていたが、この試写では誰一人席を立たず、館内の明かりがつくと、拍手が沸き起こったという。
続いて行われた質疑応答では、質問のほとんどが宗教に関することに集中。ある女性は、「私は仏教徒なので、この映画に描かれた仏教の本質がよくわかる。ただ、アメリカはキリスト教徒が多い。彼らにこれが理解できるだろうか」と感想を語った。しかし、キリスト教徒の男性は、「この映画はキリスト教の世界観だ」と語った。
松本氏によると、それ以前に行った日本での試写会では、神道の宗徒の人物が「この映画の内容は神道に基づいている」と感想を述べたという。仏教、キリスト教、神道という異なる信仰を持つ人々が、それぞれ「これは自分の宗教の世界観を描いた映画」と感じたようだ。
こうした意見を受けて、松本氏は質疑応答でこう述べたという。
「『すべての人間が神の子である』という本質を信じることが、お互いを愛し合う原点になります。いろいろな宗教も、時代や地域の特性に合わせて違いが出てきますが、元はひとつです。互いの違いを理解し合い、寛容に認めあうことが大切であり、『愛と寛容の精神が新しい時代を拓く』というメッセージを打ち出しているのです」
この試写会の様子を伝えた、映画専門ニュースサイト「シネマトゥディ」はこう伝えている。「アメリカ人の反応は、子ども向けのディズニー映画をよく観る彼らにとって、スピリチュアルな要素と宇宙から捉えた観点が新鮮に感じられたようで、好評価を得ていた」(2012年12月19日付)
帰国後、松本氏は本誌取材にこう語った。「日本人は『宗教』というだけで拒絶反応を示す。でも、アメリカでは、多くの人々が宗教を真正面から受け止めて、『その宗教は何を言っているのか』『その宗教は良いか悪いか』を判断する。今回、アメリカ以外でも様々な国で試写会を開きましたが、海外の反応はとてもいいということ。今後も世界展開を推し進めていきたい」
同映画は10日までにイギリス、カナダ、台湾、香港など7カ国16都市で上映されており、今後はインドやブラジルなどでも上映される。他の海外の映画祭にも出品することを視野に入れているという。(居)
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2012年10月号記事 近未来予言映画 「神秘の法」が常識を破壊する「あの世」の証明
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