中国広東省の週刊紙「南方週末」の記事が共産党宣伝部によって改ざんされた問題で、ネット上で報道の自由、言論の自由を求める中国国民の批判の嵐が、さながらレジスタンスの如き広がりを見せている。

この事件は、「南方週末」が1月3日付の社説で中国の民主化を求める記事を掲載しようとしたところ、共産党広東省委員会の宣伝部長の指示で書き換えられたもの。これに対し4日、同紙記者らは、宣伝部長の辞任を求める抗議声明を2度にわたって発表。7日には、同紙を応援する市民ら数百人が抗議デモを行った。

その後の動きを、中国内外のメディアの報道から、たどってみよう。

・中国政府がネット上の情報規制を行っているため、ネット上では南方週末の主張を擁護する記事はことごとく削除されている。登録ユーザー4億を超える巨大サイト「微博(ウェイボ)」では「南方」「週末」はすべて検索不可になり、「週末の予定は?」などの検索もできなくなった。

・共産党中央宣伝部は、全国のメディアに対し、「南方週末」を批判する「環球時報」(共産党の機関紙)の社説を掲載するよう命じた。さらに、「事件に関する意見をネット上に書き込んだり、転載した場合は処分する」「この事件に、海外の敵対勢力が介入している」などと通達を出した。

・これに対し、北京市の有力紙「新京報」は批判記事の掲載を拒否。社長が辞任覚悟で抵抗したが、結局批判記事を掲載した。ネット上では同社の名前の入った書き込みの検索ができなくなったが、「新京報は当局に屈服したわけではない」と称賛する声が相次いだ。

・米国務省のヌランド報道官が7日、「検閲は、近代的で情報化が進んだ経済と社会を目指すという中国の意志とは矛盾するものだ」と述べて、中国政府を批判した。これに対し、中国外務省の洪磊報道官は8日、「中国は、いかなる国家や何人も、どんな形式であっても、中国の内政に干渉することに反対する」と不快感を表明した。

・外務省報道官・華春瑩氏は「南方週末」に関する記者会見で、「中国には新聞の検閲制度は存在しない」「中国政府は法に基づき報道の自由を守っている」と答えた。これに対し、ネット上では「メディアは(党の)舌で、メディアへの党統制は鉄則。中国はこれに尽きる」「報道自由度ランキングでわが国は179カ国中174位。よく分かった」など批判的な書き込みが続いている。

大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁は昨年12月5日、全世界同時中継の講演「地球的正義とは何か」で、次のように中国の人々に呼びかけた。

「中国は今、偉大な発展期を迎えています。世界のリーダーになる可能性はある」「ただし、それには前提条件があります。現代においては、国民に『知る権利』を与えるということが大事だということです」「自分たちの政府にとって都合のよいことと悪いことを分けて、都合の悪いことは知らしむべからずという国家が、13億人も14億人もの国民を率いていることは、地球的に見て、これは不幸です」

ネット人口は5億と言われる中国で、ネット上での規制をいかに続けようとしても、すでに限界だろう。中国政府が言論を封殺しようとすればするほど、「知る権利」を求める国民の声は地鳴りのように巻き起こっていく。大川総裁の呼びかけに応えるように今、中国で「自由の革命」が起きようとしている。(仁)

【関連記事】

2013年1月5日付本欄 習近平体制で「言論の自由」封殺 民主化求める社説書き換え

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2013年1月8日付本欄 中国紙・南方週末の記者や市民が記事改ざんに反発 自由を求める声が拡大

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