政府は3日、2013年度の防衛関係予算について、概算要求から1000億円上積みする方針を固めた。増額した分は、陸上自衛隊員の前年度比1220人削減の見直しや、尖閣諸島周辺で中国の航空機の領空侵犯に対応しているF15戦闘機の改修の拡充に充てるという。産経新聞4日付が報じた。

これで防衛予算は自民党政権が野党に転落する前の約4.7兆円規模に戻ることになる。

12月の衆院選で自民党が大勝した裏には、中国の尖閣に対する強烈なアプローチや、北朝鮮のミサイル実験などを受けて、国民が保守回帰を望んだことが伺える。自民党は「日本を、取り戻す。」と言って政権を奪還したが、それが自民党時代の政治に戻るというだけの意味であれば、昨年来の民意をきちんと受け止めているとは言えないだろう。

日本の防衛予算は自民党政権でも1994年ごろから年間約4.7~5.0兆円と「べた凪ぎ」で、ほとんど増やしてこなかった。隣の中国はその間2桁増を繰り返し、2012年の防衛予算は公表している数字で約8.7兆円、非公表分を含めると15兆円ともいわれる。このままいくと2020年代に約50兆円(非公表含む)となり、世界一になるとの予測もある。こうした国が、日本の領土である尖閣諸島を「核心的利益」と称して実効支配を狙っている状況で、日本だけが今までどおりの予算でいて無事で済むはずがない。

大川隆法幸福の科学グループ創始者兼総裁は、香港の活動家が尖閣に上陸した2日後の2012年8月17日、吉田松陰に西洋砲術を教えた師であり海防の必要性を説いた幕末の思想家・佐久間象山の霊を招いて霊言を行った。象山霊は国防予算についてこう語った。

「防衛省は、防衛省のみにて財政政策をつくるべきです。防衛省が資金集めをしたって構わないわけであって、『財務省を通そう』なんて思っちゃいけないんです」「日本人でも、『国防のためだったら、金を出します』という人は出てきますよ。外債だって出ますよ」

中国の軍拡に接して国民の危機意識が高まっている今こそ、防衛省は省庁の縦割りにとらわれない自由な発想で、「中国の軍拡に対抗するため原子力潜水艦を建造します」などと訴えて国防債を発行するべきだ。石原慎太郎前都知事が2012年、尖閣・魚釣島の購入資金を募ったら、約15億円の寄付が集まった。日本の個人金融資産約1500兆円の1%を国防債で集めることができただけでも15兆円になる。その金で国産兵器を買えば、日本の防衛産業も潤い、産業振興に役立つ。タンス預金を還流させるためにも国を守るためにも、“国民全員参加"の国防債で防衛力を拡充すべきである。(居)

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2012年11月号記事 維新の思想家・佐久間象山プラン- 防衛力増強に300兆円集める方法

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2012年12月20日付本欄 米海兵隊グアム移転費復活、日本は自主防衛体制を確立せよ

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幸福の科学出版HP 『佐久間象山 弱腰日本に檄を飛ばす』大川隆法著

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