中国では、習近平・新体制が発足した。それと前後して、「日本はファシズム国家」「断固として日本と闘争する」など、日本をことさらに敵視する激しい言葉が飛ぶ。中国の軍事的な脅威が迫っていることはもはや疑いようがない。

2012年を振り返ると、尖閣諸島の国有化を発端に起こった反日デモでは、日本企業などが焼き討ちにあったが、これらの企業に対し、中国側が賠償を行ったという話は聞かない。それどころか、中国は尖閣周辺の日本の領海に相次いで侵入、領空侵犯も行っている。日本がどこまで尖閣を守る意思があるかを試しているようだ。

そもそも中国は、2020年代にアメリカを東アジアから追い出そうと海洋進出を続け、周辺国を呑み込みながら勢力圏の拡大に動き出している。その中国と同盟を組む北朝鮮も、昨年12月にミサイル実験を成功させ、米本土をも射程に収める大陸間弾道弾(ICBM)の開発に弾みをつけた。

一方、日本がスクラムを組むべき国々も、中朝になびいている感がある。昨年12月の韓国大統領選では保守派の朴槿恵(パク・クネ)氏が当選したが、世論に北朝鮮に対する危機意識は薄く、緊張緩和や対話ばかりが強調された。さらに世論が左傾化すれば、歴史問題を通じて韓国が北朝鮮と組んで、日本と対峙するような状況も生まれかねない。

台湾も馬英九総統の下で、経済的に中国との結びつきを強めてきた。最近では、「台湾が尖閣の領有権を持つ」と主張するグループが活発に活動しており、中台が尖閣問題で日本に対して「共同戦線」を組む危険性すらある。

こうした脅威が迫る中、日本は2013年、アメリカやオーストラリア、インド、ロシア、そして東南アジアの国々との連携を密にし、軍事的脅威の拡大を封じ込める必要がある。

しかし、だからと言って他国任せの国防ではいけない。同盟国のアメリカは厳しい財政難で、中長期的には東アジアから撤退してゆく可能性も否定できない。日本は自分の国は自分で守ることを決意し、独自の核保有も含めた防衛体制を確立していかねばならないのだ。

その最初のステップは夏の参院選だろう。憲法9条を改正し、自衛隊が普通の軍隊として国防にあたれるような環境をつくれるか否か。日本人の覚悟が試される1年となる。

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2012年12月8日付本欄 周恩来が霊界から「私が今の中国を指導している」

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