中国政府が1950年に作成した外交文書の中で、「尖閣諸島」という日本名を明記し、琉球(沖縄)に含まれると認識していたことを示していたことが27日、時事通信が入手した資料のコピーで分かった。
今回見つかった文書は、「対日和約(対日講話条約)における領土部分の問題と主張に関する要綱草案」の原文のコピー。中華人民共和国(中国)が誕生した翌年の1950年5月15日に作成された文書である。中国政府が当時、尖閣諸島を中国の領土と主張せずに、「琉球の一部」と認識していたことを示す政府文書が発見されたのは初めてである。
だが、在日中国大使館の楊宇報道官は27日の記者会見で、「たとえ文書があるとしても、中国が(固有の領土との)立場を変えることはない」とコメント。尖閣をめぐる中国の主張が、歴史や事実に基づいたものでなく、他国を侵略するためのプロパガンダ(政治的宣伝)であることが透けて見えた。
そもそも、1968年に付近の海底で油田が見つかるまでは、中国政府は尖閣が日本領であることに異議を唱えておらず、1970年ごろから急に「中国領だ」と言い始めたのである。1900年代初めには、尖閣諸島に住んでいた日本人が、遭難して尖閣に流れ着いた中国人の漁民を救助。当時の中華民国政府から送られた感謝状には、「日本帝国沖縄縣八重山郡尖閣列島」と書かれており、尖閣が日本の領土であることを認めている。
中国は、南シナ海でも南沙諸島の領有権をめぐって東南アジア諸国に武力威嚇を続けているが、専門家によると、自国の領土にするために、同諸島の離島近くの海中に、中国の古銭や土器のかけらをばらまいて、その後、素知らぬ顔で「発見した!」と騒ぎ、「この島は昔から中国の領土だった」と主張しているという。
こうしたことを踏まえると、中国という国は、領土拡張や他国侵略のためにはいくらでもウソをつき、歴史をねつ造するということが分かる。「南京大虐殺」などがいい例だ。
中国のウソを許すことはできないが、その口をふさぐこともできない。であるならば、"口撃"を受けている日本人自身がそのウソをあばき、中国と国際社会に向けて、堂々と「中国は間違っている!」と主張し、正論を打ち込むべきだ。
「無理が通れば道理が引っ込む」ということわざもあるように、国際社会において「ウソ」が通れば、「正義」が失われていく。つまり、日本は国際社会の「正義」を守るためにも、絶対に尖閣問題で譲歩してはならないのである。(晴)
【参考記事】
2012年12月27日付本欄 安倍内閣発足 本当に「危機突破」内閣か? 中国の脅威にどう対処するか?
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=5389
2012年9月13日付本欄 中国が公然と沖縄の領有権を主張し始めた