2013年2月号記事

2012衆院選 「国防強化」「原発推進」 歩むべき道を示した幸福実現党の戦い

2012年衆院選は、自民党が単独で過半数を上回る大勝を果たし、政権を奪還した。しかし、それが意味していたのは、「国防強化」「原発推進」を主張してきた、幸福実現党の政策的な勝利であった。

(本誌編集部)

幸福実現党(立木秀学党首、右写真)は、今回の衆院選で、主に、国防強化としての「核保有」、景気回復・経済成長を実現するための「消費増税の中止」、そして国家の生命線とも言うべき「原発推進」を訴えた。

議席獲得はかなわなかったが、 自民党が大勝し、民主党や日本未来の党が大敗したことから、幸福実現党の主張である国防強化、原発推進は政策的に勝利したと見ていい。 自民党は明らかに、幸福実現党の政策の後追いをしていたからである。

たとえば、今回の衆院選で、自民党は外交・安全保障分野で、「国防軍の創設」「集団的自衛権の行使」を主張。ひと昔前なら、公言するのもはばかられるような政策を掲げた。

だが幸福実現党は、立党直後の2009年の衆院選で、すでに「防衛軍を組織」「集団的自衛権の行使を禁じた政府解釈の見直し」など、当時どの党も言わない、具体的な国防強化策を明確に打ち出していた(下表参照)。

また、自民党は原発について、曖昧なスタンスで揺れ続けていたが、「原発推進」を明確に主張していた政党は、幸福実現党ただ一つであった。

幸福実現党の主張の正しさが証明された

上は、選挙期間中の12月12日に北朝鮮が打ち上げたミサイル。下は、8月15日、尖閣諸島・魚釣島に不法上陸した中国人活動家たち。

そもそも幸福実現党が09年春に立党した大きな理由の一つに、北朝鮮の核ミサイルを「飛翔体」と呼ぶ自民党政権では、国難から国民を守れないという危機感があった。 以来、一貫して「国防強化」を訴えている。

選挙期間中の12月12日には、北朝鮮がミサイルを発射し、沖縄上空を通過させ、南シナ海のフィリピン沖に着弾させた。翌13日には、中国機が尖閣周辺の上空を領空侵犯、警告した日本の海上保安庁に、「ここは中国の領土である」と応えた。中国外務省の洪磊報道官も「9月以降、日本の船や飛行機が釣魚島(魚釣島の中国名)の領海や領空に度々侵入している」と発言している。

2012年は8月にも竹島と尖閣にそれぞれ不法上陸を許したが、日本政府はいずれの国難に対しても「遺憾」という言葉を繰り返すだけだった。

幸福実現党が指摘してきた数々の国難が現実化し、その主張の正しさが証明された。にもかかわらず、マスコミは同党の主張を黙殺したのである。

東京にサムライ精神を広めたトクマ氏

東京都知事選に立候補した幸福実現党青年局長のトクマ氏は、選挙戦で、「地下核シェルターなどの首都防衛力の強化」「規制緩和による超高層都市化」「原発の推進」など、他候補には見られない、発展的な政策を打ち出した。そして何よりも、国有化後の尖閣諸島に初めて上陸した日本人として、愛国心の大切さや自虐史観教育からの脱却を訴えたことは、東京都民のみならず、多くの国民に勇気と希望を投げかけた。

石原慎太郎・前都知事も果たせなかった尖閣上陸を実行し、サムライ精神を示したトクマ氏の功績は大きく、ある意味で幕末に海外渡航を試みて国禁を破った吉田松陰の姿と重なる。

トクマ氏が都知事選で掲げた政策、そこで示した精神は、都政を超え、一国平和主義にしがみつく日本が、今後、国際社会に責任を持つ世界のリーダーとして生まれ変わるための大きな糧となるはずだ。

自民党の政策は幸福実現党の後追い

2012年衆院選の自民党政権公約の裏表紙の内容(下)は、1~2カ月前に発表されていた幸福実現党の政権公約の表紙(上)と瓜二つだった。

また、幸福実現党の主張の正しさは、経済やエネルギーの分野でも証明された。

衆議院解散前日の11月15日、自民党の安倍晋三総裁が「2~3%のインフレ目標の設定」「大胆な金融緩和」に言及すると、市場が好感を持ち、日経平均株価が上昇した。

だが実は、この政策は09年の時点で、幸福実現党が政権公約として発表していたもので、当時の自民党の政権公約には存在しなかった。 今回の衆院選で、こうした自民党による幸福実現党の政策の後追いは、経済分野にとどまらず、教育や憲法などにも及んだ(表)。

さらに、衆院選公示前には、北海道で送電線の鉄塔が倒れた影響で、室蘭市や登別市の5万6千戸が停電。公示後にも、暴風や落雷によって同地域の7千戸が停電するなど、電力の供給が途絶えれば、国民の暮らしが破壊され、生命に危険が及ぶ現実を突き付けられた。

だが マスコミは、唯一、「原発推進」を訴える幸福実現党の主張を報道しないという形で封殺。 その一方で、「主要政党」と呼ぶ12政党の「2030年代に原発稼働ゼロ」(民主党)、「10年後に原発から完全卒業」(日本未来の党)、「即時原発ゼロ」(共産党)など、脱原発派の主張のみを取り上げた。これは、中国や北朝鮮並みの言論弾圧と言える。

テーマ

幸福実現党
2009年衆院選の政権公約
自民党
2012年衆院選の政権公約

経済

・年率3%以上の経済成長を果たし、株価を2 万円台に乗せます。

・金融政策として、3%程度のインフレ目標値を設定します。

・名目3% 以上の経済成長を達成します。

・明確な「物価目標(2%)」を設定します。

教育

・いじめ防止法を制定し、学校からいじめを追放します。

・いじめに加担したり、隠ぺいするなどした教員や校長、教育委員会、PTAに対して厳しい措置を行います。

・「いじめ防止対策基本法」を成立させ、統合的ないじめ対策を行います。

・いじめの隠ぺいなど、法令違反や児童生徒の「教育を受ける権利」の侵害に対しては、公教育の最終責任者たる国が責任を果たせるよう改革します。

外交
安全保障

・集団的自衛権の行使を禁じた政府解釈を見直します。

・集団的自衛権の行使を可能とし、「国家安全保障基本法」を制定します。

憲法

・新・日本国憲法試案 第五条「国民の生命・安全・財産を護るため、陸軍・海軍・空軍よりなる防衛軍を組織する。また、国内の治安は警察がこれにあたる」

・憲法改正により自衛隊を国防軍として位置づけます。

マスコミは補助金漬けの既成政党を応援している

こうした偏向報道は全国的に行われたが、なかでも名古屋圏で圧倒的なシェアを誇るブロック紙「中日新聞」は、その姿勢が顕著だった。

候補者の人柄を伝える記事で、同紙記者が取材したにもかかわらず、その後、上層部の判断で、幸福実現党の候補者のみ紹介しなかったという。

また、公開討論会を伝える記事で、同党の候補者が出席していたにもかかわらず、その主張には1行も触れないという徹底ぶりを見せた。

こうした報道姿勢について、中日新聞選挙調査室の山田恭司室長は弊誌の取材に対し、「わが社で定める一定の基準に基づいている。全候補者を載せているわけではない。政党要件や政治実績の有無などから判断している」と話した。

マスコミ各社が選挙報道の基準とする「政党要件」とは、「国会議員5人以上か、または議員1人以上がいる上で直近の国政選挙で2%以上得票した政党」というもの。この要件を満たした政党に、選挙後、税金を使って資金を与えるということが「政党助成法」で定められているが、この法律と選挙報道の基準はまったく無関係である。

これが意味するのは、 権力をチェックすべきマスコミが、政党助成金という国の補助金漬けの既成政党、その党に属する国家公務員である政治家を、選挙で勝つように一生懸命応援している ということだ。

本来、マスコミは民主主義を担保する存在だが、そのマスコミが自ら「国民の知る権利」を制限するのであれば、良識が支配することはなく、民主主義は機能しなくなる。

つまり、今の日本のマスコミは自らその使命を放棄し、既成政党の政治家と"癒着"して、選挙を商売にしている。国民不在の間違った選挙である。

自分の国は自分で守る

だが、緊迫する国際情勢の中で、日本にそんな悠長なことをしている時間はないはずだ。

日本の国防の後ろ盾であるアメリカは、巨額の財政赤字を抱え、今後10年間で国防費を1兆500億ドル(約83兆円)の削減が決まっている上、富裕層への実質的な増税と歳出削減という「財政の崖」で、経済がさらに冷え込むことが予想される。日本はもうアメリカに頼り切ることはできない。

一方で、最大の脅威である中国は、習近平総書記が「中華民族の偉大な復興を実現する」と宣言し、軍人を鼓舞するなど対日強硬姿勢を強めている。

安倍・自民党政権は今後、もし、中国に尖閣諸島を軍事支配されたときに、自衛隊を出動させる気概はあるのか。それができたとしても、そのとき中国にいる日本人が人質にされたら、「国家の主権」と「人権」のどちらを優先させるのか。

日本が直面するのは、独裁国家、共産主義体制が残る中国・北朝鮮の脅威だが、これは米ソ冷戦後、東アジアに残った「最後の冷戦」である。

世界人口100億人時代に近づこうとしている今、この地球を独裁国家の手に委ね、闘争と破壊の世界に沈めるか。それとも、自由や民主主義の価値を共有する国々が世界を平和へと導き、ともに繁栄・発展を目指していくか。世界はその岐路に立たされている。

そうした中で、 日本人は、自分の国は自分で守る決意を固めなくてはならない。 政権を奪還した自民党の政策が、幸福実現党の後追いであることは先に触れたが、その意味で、先見性に富んだ幸福実現党の政策が、すでに日本をリードしており、これからもリードしていくことは間違いないと言える。