韓国大統領選が、19日に投開票日を迎える。日本の衆院選は、保守の自民党が大勝し、一部のメディアが「右傾化に警戒せよ」と報じる。だが、核ミサイルで周辺国を脅す独裁国家に媚びないことを"右傾化"と呼ぶのであれば、日本と同じく韓国も"右傾化"することが必要である。

北朝鮮寄りで知られる親北・左派の統合進歩党(統進党)の李正姫(イ・ジョンヒ)候補は16日、テレビ討論が始まる直前に、選挙戦から撤退することを表明。保守系与党・セヌリ党の朴槿恵(パク・グンヘ)候補と、左派系野党・民主統合党(民主党)の文在寅(ムン・ジェイン)候補の一騎打ちとなったが、朴氏は高齢者や地方、文氏は若者や都市を中心に支持を集め、接戦を繰り広げている。

朴氏は、世論の「弱者切り捨て」「格差拡大」という李明博政権への批判に応える形で、「所得再分配効果を高める」などの政策を打ち出しているものの、12日の北朝鮮のミサイル発射に対しては、「北朝鮮がいくらじたばたしても国民は動じない!」と厳しい姿勢を示した。

かたや文氏は、李政権への批判を利用して、テレビCMなどあらゆる場面で「庶民派」を強調。ミサイル発射後、朴氏の主張に対しては、「政府とセヌリ党は国家の重要な安保状況を選挙に悪用してはならない」と訴えるなど、北朝鮮に融和的な姿勢が目立つ。

ちなみに、文氏は、盧武鉉政権で大統領秘書室長などを務めた人物で、同政権は、食糧や資金援助を行う「太陽政策」で、北朝鮮の独裁体制を間接的に支えていた。

一方、隣の日本では、衆院選の前後から、安倍・自民党の勝利が予想されており、国内の左翼系メディアに乗った、英BBCや米CNNなど一部の海外メディアも、安倍政権の復帰を「日本の右傾化」という表現で、「軍国主義」を連想させるような報道を行っている。

だが、「現在の世界で軍事力増強に持てる資源の最大限を注ぐ国は中国、そして北朝鮮」「軍事増強は実は『左傾化』だろう」(18日付産経新聞・古森義久氏コラム)という指摘のように、今、警戒すべきは「中国・北朝鮮」という軍事独裁国家である。

その意味において、韓国の大統領選では、朴氏の当選によって"右傾化"すべきだ。そして当選後には、間違っても、世論に媚びて竹島への不法上陸や虚構である従軍慰安婦問題などを日本に突き付けてはならない。日本やアメリカとともに、中国や北朝鮮に自由や民主主義の価値を広めることこそが、朝鮮半島の人々の真の幸福と発展を約束する。(格)

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