安倍晋三新首相が、近く誕生する。新政権は国防強化に前向きで、中国の覇権主義を抑止するための取り組みが期待される。前回の安倍内閣はインドなどとの友好関係強化を進めており、アジア各国では連携強化への期待の声が出ている。
16日の総選挙での安倍自民党の圧勝を受けて、印タイムズ・オブ・インディア紙は17日付紙面の1面で「インドの友人である安倍が日本で復権へ」と報じた。また、国際面では、「安倍は日印関係の大胆なビジョンを示した。彼の復帰は両国関係を急拡大させる絶好機となるだろう」という、専門家の声を紹介している。
フィリピンでは、政府の報道官が「日本は戦略的な同盟国でありパートナー」と指摘した上で、「新しい政権と良好な関係を築くことができるだろう」とコメントした。また、デルロサリオ比外相はこのほどの英フィナンシャル・タイムズ紙のインタビューで、日本の再軍備を「強く支持する」と話し、「我々は地域の軍事バランスを維持する役割を担う国を求めている。日本はその役割として重要な国になりうる」と語っている。
日本の国内メディアは、自民党勝利に対する"アジア"の反応として、中国や韓国が日本の「右傾化」を警戒しているという声をこぞって紹介する。しかし、インドやフィリピンなどのアジア諸国が、増大する中国の軍事力に対抗し得る大国として、日本の役割に期待していることを忘れてはならない。
問題の核心は日本の右傾化ではない。中国や北朝鮮といった軍事的な脅威にいかに対処し、国を守り、東アジアの平和を守るかである。そのために新政権は、中国などの軍拡に懸念を持つ国々と、積極的な友好関係樹立を進めるべきだ。
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