オバマ米大統領が、ケリー上院外交委員長を新しい国務長官に指名する方針だと、米メディアが報じている。正式発表は数日中に行われる見通し。国務長官人事をめぐっては、有力候補の一人だったライス国連大使が辞退を表明していた。

ケリー氏は外交委員長として各国首脳との交渉にこれまであたっており、外交経験は豊富。国際テロリストのオサマ・ビンラディン氏を米軍が殺害したことで、アメリカとパキスタンとの関係が悪化した際にも、同国を訪問するなどしている。

一方で、交渉を重視するケリー氏が、中国や北朝鮮の脅威についてどう対応するかは注目に値する。

北朝鮮はこのほどのミサイル発射実験の成功で、アメリカを射程に収める大陸間弾道弾(ICBM)の開発に弾みをつけた。このままでは、数年以内に北朝鮮がアメリカに核の脅しを加えられるようになる可能性すらある。

米戦略国際問題研究所の朝鮮半島専門家であるビクター・チャ氏は、同研究所サイトの論説で、「ミサイル実験などを、技術的に遅れた変てこりんな国が、またバカなことをしていると、甘く見る傾向がアメリカにはあった。こうした姿勢はもはや許されない」と論じている。

北朝鮮問題でケリー氏はこれまで、米朝での直接対話に前向きな姿勢を示したこともある。イランの核開発をめぐっても、直接交渉にこだわるあまり、開発の猶予を与えてしまったと批判されることもある。

中国が日米への対決姿勢を強め、北朝鮮が核ミサイルの保有を進める中で、アメリカは日本とも共同して抑止力の強化に取り組まざるを得ない。ケリー氏には、交渉が通じる相手かどうかを見極める目を持ち、中国や北朝鮮の粗暴な振る舞いを封じ込める策を考えることを求めたい。

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