将来的に地球から火星に向けて8万人を移住させると、アメリカ・宇宙ベンチャー企業のスペースX社の最高経営責任者、イーロン・マスク氏が発表した(27日付オンラインニュース各社)。同氏によれば、今世紀前半の実現を目指しているという。
スペースX社は2002年に設立された衛星打ち上げビジネスのベンチャー企業。独自にロケットエンジンや宇宙船を開発し、国際宇宙ステーションへの無人物資補給を民間企業として初めて成功させた。火星への飛行には繰り返し使える巨大なロケットを使用し、費用の見積もりは一人50万ドル(約4100万円)。まず10人未満の少人数で移住し、自給自足できる設備を整える。いわゆるテラフォーミング(惑星地球化計画)とは違い、火星に基地を作っていく算段だ。
火星探査は、現在アメリカが先行している。1976年、バイキング計画でバイキング1号が軟着陸。現在までに計19機の探査機が火星に向かった。最近では今年8月6日に宇宙船マーズ・サイエンス・ラボラトリーが火星に到着。火星の過去と現在における生命の可能性について調査している。
火星と地球は多くの点で似通った惑星だ。火星の1日は地球の1日にほぼ等しい。四季があり、薄い大気も持つ。火星の表面積は地球の陸地とほぼ同じ。また、近年の観測によれば、火星には水が存在し、地球型生命を支える元素が多く存在する可能性が高い。ただし、重力が地球の3分の1、平均表面温度は-43℃であるなど、相違点もある。重力が地球より小さいことは、人間に低重力下での健康障害をもたらすことも指摘されている。
マスク氏のこの計画には、資金を集めるためのアドバルーンとの意見もある。とは言え、宇宙開発に実績のあるスペースX社が先行して計画を進めれば実現する可能性もあるだろう。大川隆法総裁による「宇宙人リーディング」では、火星の地底に火星人が居住していることが分かっている。火星進出が宇宙人との「来るべき対話」となる日はそう遠くないかもしれない。(悠)
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