経済学者の飯田泰之・駒澤大学准教授が、テレビ番組出演前の打ち合わせで、制作側から自民党の金融政策を批判するように依頼されたと暴露し、話題になっている。

飯田氏はこのほどのネット番組に出演した際に、ネット番組の方がテレビ番組よりも自由に発言できると述べ、金融政策について「テレビで言うのは相当きついです」と話した。自身はデフレ脱却のための積極的な金融政策を訴える「リフレ派」として知られるが、テレビ出演でその主張を展開するのは難しいのだという。

飯田氏はまた、出演前の打ち合わせで「なんとかお願いします。なんとか財政破綻とハイパーインフレーションでお願いします」と、スタッフから頼まれたことも明らかにした。飯田氏はレギュラー・コメンテーターを務めるテレビ朝日「モーニング・バード!」などの番組に出演しているが、依頼を受けた特定の番組名を明らかにしていない。

今回の衆院選では、安倍晋三総裁率いる自民党が積極的な金融緩和によるデフレ脱却を訴え、金融政策が争点の一つに浮上している。これに対して一部のメディアは、「ハイパーインフレが起きる」などと批判をしている。日銀が量的緩和に消極的なことが、デフレ不況や過度の円高を長引かせて国民を貧しくしているのは明らかであり、デフレの時にインフレの心配をするのはお門違いと言える。しかし、安倍氏の打ち出した金融政策を支持する声はあまりメディアには載らない。

飯田氏はテレビ局側の依頼に対し「絶対にできない」と拒否したというが、ゲストで招いた学者に対してこうした誘導や捏造がまかり通っているなら、御用学者しかテレビに出られなくなる。メディア側の圧力によって世論が捻じ曲げられているなら、ゆゆしき問題だ。

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