「国際航空宇宙展」の事業関係者向け展示会が9日から12日(一般向けは12~14日)まで名古屋で開催され、32カ国から665社・団体が参加。中でも国産旅客機「MRJ」が注目の的となっている。

同展示会では、以前本欄でも紹介した三菱航空機の70~90人乗りの小型ジェット旅客機「MRJ」の実物大模型も展示している。MRJは国産プロペラ機の「YS-11」以来、約40年ぶりの国産旅客機。機体にアルミニウムや炭素繊維複合材などを用いることで軽量化に成功したため、燃料を2割節約でき、競合機に比べ1機につき年間1億円の経費削減になることが最大の売りだ。

世界の航空機市場は、新興国での需要から成長が見込まれている。今後20年間で約3万機、300兆円の新需要となるという予測もある。経済産業省は航空・宇宙産業の育成に対し「自動車に次ぐ産業創造につながる」と期待しているという。

大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁は著書『震災復興への道』(幸福の科学出版刊)で次のように指摘している。

「(日本は)自分たちで航空機をつくる技術がないわけではないのですが、(中略)、空の部門がとても弱いのです」「航空機産業から宇宙産業まで、全部、後れを取っています。このあたりを、一度、見直す必要があるのではないかと考えます」

モノづくりでは世界一の技術を誇る日本だが、2010年の日本の航空宇宙産業の売上高は世界第5位、年間1.3兆円だった。第二次大戦では世界一の戦闘機ゼロ戦を生んだ日本の航空技術は戦後、アメリカなどの連合国に解体され、大きく出遅れた。

実績のあるカナダ・ブラジルや、価格で勝負する韓国などと伍して戦い勝ち抜くためには、「新しいフロンティアが『空』にある」という観の転回をなし、クルマ大国ニッポンから航空・宇宙大国ニッポンへと自己イメージを変えていくことが必要になるだろう。

そのためにも政府は、空の規制を緩めるなどしてプライベート・ジェットの内需拡大を図るべきだ。飛行機の存在がより身近になって便利さを実感するほどに技術向上のスピードは上がり、それが日本の国際競争力強化にもつながるだろう。(居)

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2012年7月12日付本欄 国産航空機米最大手が受注 航空宇宙産業振興の弾みに

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2012年4月6日付本欄 日本は「航空・宇宙産業」で未来を切り拓け

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4092

【関連書籍】

幸福の科学出版ホームページ 『震災復興への道』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=38