21日の民主党代表選で圧勝して再選された野田佳彦首相。輿石東幹事長に続投要請したことから、「近いうち解散」を有名無実にし、年内解散見送りの公算が強まった。ドジョウ宰相は、のらりくらりと長期政権を狙っているようだ。

民主党の支持率が低迷を続ける中、谷垣禎一自民党総裁との「近いうち解散」の口約束の見返りに自民・公明との3党合意で「消費税増税」を乗り切ると、あまたの党内のライバルを振り切って再選にこぎつけた野田首相。衆院解散については「そんなに遠くない将来」と、平気で文言を変えた。

一方の自民党総裁選では、「タカ派」と言われる安倍、石破、石原氏らが名乗りを挙げ、竹島・尖閣、中国の反日運動など国防・外交問題が山積する中で、支持率を広げつつある。また日本維新の会も、マスコミがつくり上げたブームに乗って支持率が高い。

そんな中で、はたから見れば「首の皮一枚」でつながっているかに見える野田政権だが、これがなかか、しぶとい。

すでに8月16日の時点で、天才軍略家・源義経の霊は、次のように語っていた。

「解散を年内いっぱい引っ張れたら、大阪維新の会のほうの流れを断ち切れるので、民主党の大敗がなくなる可能性がある。彼(野田氏)の主眼は、そこにあると思う」

「私の感じでは、彼はしたたかで、『解散、解散』と言いつつ、来年の任期いっぱいまで引っ張るのではないかと思う」

「彼の次の中心的なテーマは、おそらく、『石原・安倍を無力化すること』だと思う。尖閣問題等を逆手に取って、一年たったら、国防のほうも実に力がある総理であるかのように見せるということを考えている」(『天才軍略家・源義経なら現代日本の政治をどう見るか』より)

天才・義経の見立ては、ここに来てかなりの現実味を帯びてきた。このドジョウ宰相は、泥水の中でじっと身を潜めて、好機到来を窺っているのだろう。

したたかな首相の「自信」はどこから来るのか。実はそれは、幸福実現党の政策の「いいとこ取り」にあるのではないか。

「2030年代に原発ゼロ」の目標も政府として決まりかけていたところを、『大江健三郎に「脱原発」の核心を問う』(大川隆法著)の強烈なパンチによって左翼勢力が腰砕けになり、経済界が「原発推進」の勢いを盛り返したため、急きょ見直しをすることになった。菅政権がつくった「脱原発」の流れを、図らずも他力本願で変えることに成功したのだ。

国防においても、3年前から幸福実現党が言い続けた「中国、北朝鮮の脅威に対して備えよ」という提言が、いよいよ現実化してくると、オスプレイ配備を強行し、普天間問題も元に戻そうとしている。

つまり、大川隆法総裁が創立した幸福実現党が、議席ゼロながら、首相もマスコミも動かし、この国の危機を救う方向に導いてきたというのが真相だろう。

それに反し、マニフェスト違反の消費税増税を強行したことは、民意を無視して騙した「裏切り」である。やはり速やかに解散・総選挙で信を問い、それでも民主党が勝ったならば、初めて首相の座に着く資格があると知るべきだろう。(仁)

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