原子力国際機関(IAEA)の17日の総会で、山根隆治外務副大臣は日本政府のエネルギー戦略「2030年代に原発ゼロ」を説明した。米、英、仏などは数日前から、日本の脱原発に関し懸念を表明していた。

山根氏は総会で「グリーンエネルギーを最大限引き上げることで原発への依存度を減らす」と語った。しかし、英仏などの反発が予想されることから「国際的なエネルギー情勢を将来にわたって正確に見通すことは極めて難しい」とも述べ、状況に応じて変更があることを示唆した。

米国は日本の脱原発で核抑止力が弱まることに、特に強い反発を示している。13日にポネマン・米エネルギー省副長官は民主党の前原誠司政調会長に、「第3位の経済大国(日本)が石油を買いあされば価格に影響する」「柔軟性を残してほしい」などと伝えた。

日本は英仏に、核燃料サイクルの一環として使用済み燃料を再処理してもらっている。原発を使わないなら核燃料サイクルを続ける必要はないが、仏のマセ駐日大使は13日、「エネルギー分野で日仏がこれまで培ってきた協力関係に、全幅の信頼を置いている」と語り、日本の核燃料サイクルの継続に期待をにじませた。

直接関係のあるこれらの国のほか、日本が原発から撤退すると困る国は多い。大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁は立木秀学・幸福実現党党首との2011年6月7日の対談(『公開対談 日本の未来はここにあり』)の中で、震災後も、ベトナムが原子力発電所の日本への発注を変える気はないと表明したことを紹介し、次のように述べた。

「『原発事故に対して、日本がどう対処して乗り越えていくのか』ということを、世界のみんながジーッと見ています。日本の原子力技術が劣るとは、思っていないですから」

あれだけの震災はあったが、約2万人の死者の理由のほとんどは津波であり、放射能で亡くなった人はひとりもいない。それを世界は見て、日本の「原発アレルギー」を不思議に思っているのではないか。現に、中国・韓国では今後も原発推進を続けるという。

日本の原子力技術が震災を乗り越えることを期待している国は多いのだ。(居)

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幸福の科学出版ホームページ 『公開対談 日本の未来はここにあり』 大川隆法著

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