ロシアは22日、世界貿易機関(WTO)に正式加盟した。日本にとって、ロシアとの経済的つながりを強めるチャンスとなる。

ロシアの国内総生産(GDP)は世界第11位であり、WTO加盟国以外の中では最大だった。加盟によって、国内産業保護のために設定されていた関税率が引き下げられる。外資を呼び込むことで、国内産業の国際競争力を強化するほか、老朽化の進むインフラの整備や、生産技術のイノベーションを図る狙いもある。

また、ロシアは突然の関税引き上げや天然ガス供給量の一方的な絞り込みなど、国際ルールを無視した行為を行ったこともあり、外国企業が投資をためらっていた面もある。WTO加盟後は、こうしたルール違反があれば提訴が可能になるため、ルール遵守が進むと期待されている。

日本とロシアの貿易は近年活発化しており、日本からの輸出額が過去10年で16倍、ロシアからの輸入も約5倍になっている。今後、日本からの自動車や電子機器の輸出や、ロシアからの資源エネルギーの輸入がさらに拡大していくと見られている。

現在、日本は中国の軍事拡大の脅威にさらされており、尖閣諸島や竹島に相次いで不法上陸されるなど、侵略の危険にある。国防強化のためにも、日米同盟を堅持すると同時に、親日国であるロシアとのつながりを強めるべきである。

大川隆法・幸福の科学総裁は著書『国家の気概』において、中国の軍事侵攻に備え、インドやロシアなど親日国との協力関係を強めることが重要であると提言し、次のように説いている。「(北方領土の)問題を脇に置いてでも、やはり、日本はロシアとの関係を強化しなくてはなりません。防衛レベル、軍事レベルまでは行かないでしょうが、少なくとも通商レベルで日露協商ぐらいは結んでおくべきだと思います。」

現在、プーチン政権は「極東発展省」を設立し、極東シベリア地域への外国資本の進出を優遇している。伊藤忠商事や丸紅は港湾施設建設を予定しているし、三井物産が石油ガスのプラント建設を行う予定になっている。今後も、インフラ整備や資源開発などで協力し合い、日露協商の実現に向けて関係を深めていくべきである。(晴)

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