米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが訓練で低空飛行を計画しているルートに絶滅危惧種のイヌワシなどの生息地があるため、環境保護団体「日本自然保護協会」が、「絶滅の危機に一層追いやってしまう」と懸念を表明していると29日付東京新聞で報じている。
同協会によると、オスプレイの訓練飛行は地上60メートルでも想定されており、国の天然記念物のイヌワシは12県で生息区画と飛行ルートが約10%重なっているため、騒音や風圧の影響が深刻になるという。イヌワシの個体数は約650羽。
オスプレイの訓練に使われるルートは沖縄、本州、四国、九州の5ルートと、奄美諸島付近の計6ルート。さらに中国山地のルートも使うと見られる。米軍の環境審査報告書では、オスプレイの運用による環境問題は生じないとしている。
なお、同協会は、普天間の米軍基地の移転問題の時も、ジュゴンの生息に影響が出るとして反対している。
昨年の東日本大震災で海兵隊は「トモダチ作戦」という救助活動を行った。今後もし似たような状況が起きた場合、ヘリコプターより速く、給油なしの行動半径が約600kmと長いオスプレイは強力な救助ツールにもなりうる。国防上の抑止力になるだけではなく、最近増えている災害時にも役立つ。
人命を救うためのオスプレイの配置は「いのちを大切にする」という民主党のマニフェストと一致する。まさか人と鳥の命の重さの優先順位を間違えるような判断をしたりしないと信じたい。(居)
【関連記事】
2012年9月号記事 U.S. Marine Corps. - 米海兵隊
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4621
2012年7月24日付本欄 オスプレイ反対運動を連日取り上げる"マスコミ・リスク″