ギリシャ再選挙で緊縮派が勝利宣言。写真:ロイター/ アフロ

2012年8月号記事

乗組員4人のボートが漂流した。1人の命を犠牲にすれば、残りの3人の命は助かる。その場合、1人を殺すことは許されるか――。

ハーバード大学のマイケル・サンデル教授の有名な命題だが、ギリシャ問題は、これとよく似ている。

6月17日に投票されたギリシャ議会の再選挙は、新民主主義党など財政緊縮派が勝利を収め、とりあえず、ユーロ離脱を回避した。

この結果、欧州連合(EU)から融資などの支援を受ける条件として、ギリシャは緊縮財政を受け入れることになった。もし緊縮反対派が勝利を収めていたら、EUからの支援が得られず、ギリシャはユーロ離脱を余儀なくされる可能性があった。