JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙開発を「平和目的に限定する」という規定を削除するJAXA法改正案が、14日の衆議院内閣委員会で可決された。これにより、防衛・軍事目的の宇宙開発が可能となる。25日付各紙が報じた。

この改正案が成立すれば、現在は研究だけにとどまっている情報収集衛星や、ミサイル防衛に使う早期警戒衛星などを、JAXAが開発できるようになる。

朝日新聞の記事では、防衛目的に特化した開発が進むおそれや、安全保障を理由に非公開のケースが増えることへの懸念を指摘しているが、時代の趨勢として当然の法改正だろう。

日本の宇宙開発は「平和目的に限る」というのは、1969年に国会で決議された。しかし、北朝鮮の核保有や、中国の軍事力増強を受けて、日本もミサイル防衛を強化した。さらに中国は衛星攻撃兵器を開発し、2007年には自国の人工衛星を破壊する実験に成功。

これらの情勢変化に伴って、日本の宇宙開発が「平和利用」だけでは、隣国の脅威に対抗できなくなったという背景がある。

もともと宇宙開発も米ソ両大国が軍事目的で膨大な予算を注ぎ込んで強力に推進してきた。日本だけが「平和利用」にこだわっていては、民主党が「事業仕分け」でJAXAの予算を削減したように、この国をどんどん危うくするだけだ。

「はやぶさ」の例を見るにつけても、宇宙産業には無限の可能性がある。日本の宇宙開発の一層の強化のためにも、時代遅れの法律は変え、国策として推進に、中国・北朝鮮の脅威に対抗すべきだろう。(仁)

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2010年11月号記事 「新時代への夢」第1回 宇宙開発編

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2011年1月23日付本欄 宇宙輸送機打ち上げ成功 でも現政権は宇宙予算「仕分け」

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=1117

映画「ファイナル・ジャッジメント」特設サイト

http://www.the-liberty.com/fj/