野田佳彦首相は8日夕、福井県の関西電力大飯原発3、4号機について「再起動すべき」と語った。この判断は評価できるが、一方で、民主党政権には国民を守れない事実が改めて浮き彫りになった。

会見で、野田首相は「国の重要課題であるエネルギー安全保障という視点からも、原発は重要な電源であります。国民の生活を守るために、大飯発電所3、4号機を再起動すべきというのが私の判断であります。立地自治体のご理解を、改めてお願いを申しあげたいと思います」と話した。

だが、原発の必要性については、大川隆法・幸福の科学総裁が、すでに東日本大震災発生から4日後の昨年3月15日の法話で、次のように述べている。

「原発に替わるエネルギー源が出てこないうちは、単なる恐怖症によって原発を簡単に手放してはなりません。原発を廃止して石油に頼ったエネルギー経営をすると、国防上も非常に危険なことになりますし、産油国に経済を翻弄されるようになってしまいます」(『震災復興への道』所収)

原発再稼働の重要性は、本誌や本欄でも再三、指摘してきた。民主党内ではいまだに再稼働への異論が噴出しているが、日本のみならず世界中に原発アレルギーを拡大させ、日本中の原発を止め、電力不足で国内企業を疲弊させ、原発立地地域を混乱させた末に、ようやく再稼働という結論にたどり着くようでは、百害あって一利なしだ。

民主党政権は、原発以外でも、沖縄の普天間基地移設や八ツ場ダム建造など、国家の重要案件に対して事あるごとに判断を間違ってきた。問題が起こったときに、民主党政権内からは、よく「政権交代のコスト」という表現が飛び出すが、民主党政権は「コスト(費用)」以上の価値を生んでいないばかりか、国民や国家に損ばかりさせている。

民主党政権は「時間をかけてよく考えたら、今までの判断は間違っていました」ということを繰り返しているが、今、一番、この言葉を口にしたいのは、民主党政権を誕生させたマスコミであり、票を投じた有権者だろう。民主党政権がこれ以上、国家に損失を与えないようにするためにも、野田首相は消費増税を断念して、国民に信を問うべきである。(格)

【関連記事】

2011年7月号本誌記事 原発を救え! Part.2 原子力発電は本当に危険か?

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2047

【参考書籍】

幸福の科学出版ホームページ 『震災復興への道』 大川隆法著

http://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=38