アメリカ国務省が24日に発表した「世界約200カ国における人権状況に関する報告書(2011年)」によると、中国では人権派活動家や弁護士に対する「抑圧」や「政治的弾圧」が日常的に行われ、人権状況は悪化し続けているという。
このほど中国を出国した人権活動家の陳光誠氏は、11年に及ぶ自宅軟禁について「希望もなく、想像を絶する苦痛だった」「"自宅軟禁“ではなく"違法拘束"と言ってほしい」とCNNテレビのインタビューに応えた。
自宅周辺には七重、八重の監視網が設置され、数百人規模で監視が行われていたという。
中国当局は、光誠氏が渡米した後も家族を軟禁・監視を続けており、22日に隙を見て自宅を脱け出した兄の陳光福氏は「以前よりも監視役が増え、監視対象地域が広がっている」と話した(人権擁護ウェブサイト「維権網」)。
中国共産党の一党独裁を保持するために大規模な人権抑圧・弾圧がなされていることを、あらためて思い知らされる出来事の一つである。
当局は国内で問題が起こると、インターネット接続を妨害したりサイトへのアクセスを禁止して、不都合な情報から国民を遮断し、不満を外へ向けさせようとするが、このような当局の締め付けには限界がきている。
昨年11月、同じく人権活動家の艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏が追徴課税を命じられた際、ネットユーザーたちが当局の検閲が及ばない海外SNSを利用して募金活動を行ったように、こうしたインターネットの"抜け道"は次々と考え出されており、イタチごっこに過ぎないからだ。
台湾の評論家・黄文雄(コウブンユウ)氏によると、中国では宗教を認めないために、心の拠り所を失って精神異常をきたしている人が1億人以上にのぼるとの話もあるという。
大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁は本誌2011年12月号の未来への羅針盤「中国13億人の幸福のために」で、「中国の内部は思想的にそうとう洗脳をかけられていますので、そこから出たいと思っている方もかなりいます」と述べている。中国国民の幸福と繁栄のために一日も早くこうした人権侵害から解放されることを願う。(清)
【関連記事】
2011年12月号記事 「中国13億人の幸福のために」
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3146
2012年7月号記事 「映画『ファイナル・ジャッジメント』-識者によるインタビュー」
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4305
2012年4月6日付本欄 艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏、インターネットで生活公開
http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4096
2012年5月20日付本欄 盲目の人権活動家 陳光誠氏、アメリカへ出国