タイの首都バンコクに2月、ファッションビル「SHIBUYA 19」が誕生し繁盛していると、8日付朝日新聞が紹介している。名前は渋谷の「SHIBUYA 109」のパクりだが、本家とは無関係で、日本のブランドは扱われていないという。

5階までの各フロアには「シブヤ」「シンジュク」「ギンザ」「ゴテンバ」「ハラジュク」などの町の名前がついている。日本の若い女性向けファッションはアジアで人気が高く、タイや中国では「Ray」や「ViVi」など日本のファッション誌が読まれているという。そうした日本ファッションの発信地の代表格が、渋谷なのだろう。渋谷では、近年アジア系の観光客が増えているという。

戦後日本は長く、自動車や家電などの製造業が突出して発展し、経済を引っ張ってきたが、時代は変わった。経済産業省は2010年から「クール・ジャパン戦略」として、新たな産業の柱を構築するためのクリエイティブ産業強化を打ち出している。同省は同戦略の一環として、中小企業の海外展開を支援するプロジェクトも立ち上げており、昨年10月にもシンガポールのオーチャード通りの百貨店「TANGS」に原宿の15の専門店を3カ月の期間限定でオープンし、大きな反響を呼んだ。同省のサイトによれば、クール・ジャパン戦略で日本に取り込みたい金額は、世界の文化産業全体の市場規模900兆円以上のうち、8~11兆円という(現状は2兆3000億円)。

6月2日公開の映画「ファイナル・ジャッジメント」(幸福の科学出版作品)は、日本がアジアの軍事大国に占領されるという近未来の警告映画だが、その中でも、渋谷ハチ公前のスクランブル交差点が象徴的な舞台となる。中国を含むアジアや世界が憧れる街・渋谷に代表される、日本の自由と繁栄、クールな文化が、万一にも他国に侵略されることがあってはならない。日本の繁栄は、すでに日本一国のものではなく、これからの世界の経済・文化・思想をリードしていけるだけの魅力に満ちているのだから。(居)

【関連記事】

2012年3月24日付本欄 東京ファッション 街ごと"輸出"作戦

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4046

2012年2月号記事 2020年世界は日本を仰ぎ見る Part1

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3569