群馬県関越自動車道における高速ツアーバス事故を受け、国土交通省は2日、高速バスへの衝突防止装置の設置を義務化する方針を固めたと日経新聞などが報じている。2010年代後半導入を目指すという。

前方の障害をレーダー監視し、急接近を警報で運転手に注意喚起した後、運転手がそれに気づかない場合でも自動ブレーキ制御で衝突を回避する。

この「衝突被害軽減ブレーキ」が高速バスに装備化されることで、安全性が格段に向上しそうだ。2010年代後半と言わず、可能な限り前倒しでの導入を期待したい。

こうした交通機関の安全性はまだまだ追求できる。例えば、全国の鉄道会社に対し、ホームの転落防止対策として、大都市部の駅を中心に、ホームドアや転落防止柵などの設置を義務化することは重要度が高い。

国交省は設置を促す指導通達を鉄道各社に出してはいるが、義務付けではないため設置ヵ所は1割にも届いていない。視覚障害者や幼児、杖の介助が必要な身体の不自由な高齢者は、ホームの電車の乗降に相当な危険を感じている。特に視覚障害者には常に死の危険が伴い、車両間の隙間を扉の開放部分と間違えて転落、そのまま発進して死亡する痛ましい事故も起きている。

ホームドアなどの設置の必要性を本誌は再三訴えてきた。現在の事故発生率と設置の進捗状況を考え合わせると、義務付けによらなければ利用者の身の安全が確保できないだろう。

少なくとも大都市部の一定以上の乗降客がある駅では義務化を急ぐべきだ。(憲)

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2006年2月号記事 都営地下鉄で転落事故ゼロ 転落防止のためにホーム柵の設置を

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=313