(『国家の気概』第一章「構想力の時代」より抜粋。)

現実的な問題として、ほかの国との外交関係のところも考える必要があります。危険な国は、はっきりしているので、どうするかというと、やはり、「味方をもう少し増やさなくてはいけない。日本の周りに“友達”をつくらなければ駄目である。そういうところが、いざというときに日本を助けてくれるようにする必要がある」ということです。

その意味で、今、いちばん大事なのは「インド」です。大国のインドと日本との交流を深めて、非常に近い関係を築かなくてはなりません。日本政府も、そうした考えは持っており、その方向で少し動いてはいます。安倍晋三氏も、総理大臣在任中にインドを訪問しました。このように、日本政府にも、インドとの関係強化は、考えとして、あることはあるのですが、まだそれほど深くは考えていないようです。

また、大相撲等の関係もあって、最近では、モンゴルともけっこう行き来があるので、モンゴルとの友好関係はもっとつくっておきたいものです。

ロシアは、今後、雲行きが怪しいのですが、シベリアの開発等を通じて、少なくともシベリア地区のほうとは友好関係をつくるように努力する必要があります。

中国は、いろいろな民族がいるため、国内の意見は統一されておらず、本当はまだ一枚岩ではないのです。大連あたりの東北部には、日本を歓迎する空気がそうとうあるので、このあたりにもしっかりと入っていって、味方に付ける必要があります。それから、中国南部の上海や香港も、考え方としてはかなり近いので、このあたりとも友好関係をつくりたいものです。

このように、日本が外交的に孤立しないように戦略を立て、友好関係があるところを順番につくっていく必要があるのです。

白人の国で友達になりうるのは、一つにはオーストラリアです。

また、日本人はカナダのことをほとんど考えないのですが、カナダも友好国としてもっと大切に考えなければいけません。なぜなら、アメリカを牽制するときに、カナダとの友好関係が必要になるからです。

カナダはアメリカにとって隣国なので、カナダと日本が非常に深い友好関係にあれば、アメリカも日本を無視しがたくなるのです。万一、アメリカが日本と仲が悪くなったときに、隣のカナダが日本と仲がよいと、アメリカは困ります。外交が不安定になるからです。そのため、カナダとの関係も大事です。

もちろん、南米のブラジルも大事です。ここも次の大国になります。

ヨーロッパでは、かつて日英同盟を結んだことのあるイギリスや、先の大戦のときに同盟国であったドイツには、まだ、日本への友好感情が残っているので、イギリスやドイツとは、やはり、しっかりとした関係を持つ必要があるでしょう。

国家の気概 -日本の繁栄を守るために
大川隆法著
幸福の科学出版刊
1,680円(税込)

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