13日の日経平均株価は大幅続伸し、終値が前日比113円20銭高の9634円99銭まで回復した。14日付日本経済新聞などによれば、北朝鮮のミサイル発射失敗が、海外投資家の不安意識を払拭し、資金が再び日本株に流れ込んでいるようだという。

不吉な「13日の金曜日」のこの日、何かが起きるとすれば「北朝鮮からのミサイル飛来か」と、最悪の悪夢の事態を想像していたところに、発射後1分余での爆発、失敗に終わる不幸中の幸いの形で幕を下ろした。恐らく投資家の市場心理もそのように動いたのではないか。

このように株価の動向には、景気予測とはおよそ関係のない国防面の要素が一部影響を与えている。さらに大口の海外投資家の市場心理に与える影響は大きい。

近隣に度重なるミサイル発射実験で日本を挑発してきた北朝鮮と、沖縄・尖閣沖の油田開発の利権を欲しがる核大国中国に挟まれる位置にある日本が、防衛費を削減するなど国防意識の欠如した政策を続けているのを、どれほど大きな不安材料として見ていることか。

1990年代初頭の経済のバブル崩壊前には、最高値が4万円を狙うところまで上昇した株価。もし仮に日本の国防のリスク要因がすべて解消できたなら、すぐにも大幅上昇するだろう。それだけ今の株価は、日本企業の強さを反映せず実体経済と乖離している。

野田首相はじめ民主党政権はあまり理解していないようだが、株価は日本経済の強さを表すものであり、株価が2倍になれば、税収も飛躍的に増えるのだ。

その方法はそう難しいことではない。例えば、「北朝鮮を憲法9条の適用外とする」と首相が一言、条文解釈の変更を口にするだけで、核ミサイル開発を急ぐ北朝鮮の脅威に対処できるようになる。いざとなればミサイル攻撃に対して先制的な破壊工作が可能になるからである。

国を守る強い意志の表明とその実行が、国民経済を繁栄に向かわせる欠くべからざる要だ。核の脅威に対して「核武装も辞さない」と言えない弱腰な政府の姿勢が、海外投資家たちの日本への投資意欲を鈍らせ、株価を低迷させ、日本経済の足を引っ張っていることに、早く気づくべきだろう。(憲)

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