中国の弾圧の実態を世界に訴えている「世界ウイグル会議」(本部・ドイツ・ミュンヘン)の代表大会が、5月に東京で行われる。これに対し、中国政府が、日本政府に大会を阻止するよう要請したと、10日付産経新聞が報じている。
記事によると、中国外務省の劉為民報道官が9日の定例会見で、同会議について「中国の主権と領土保全に危害をもたらす組織だ」と批判。「われわれはすでに日本政府に対し申し入れを行った。このような組織が日本で中国の分裂活動を行うことを阻止するための具体的な措置を取るように求めた」と語った。現時点で、日本政府は、「民間活動のため干渉しない」(外務省幹部)という立場をとっているという。
これに先立つ8日、世界ウイグル会議の日本全権代表であるイリハム・マハムティ氏が、幸福の科学・東京正心館(東京)で行われたリバティ・セミナーで講演。イリハム氏は「われわれが、アジアで唯一、活発に活動できているのは日本ということで、今回の大会を日本でやると決めました」と語り、活動を支えるための寄付を次のような言葉で募った。
「われわれは日本でやると決めましたが、困っていることが沢山あります。ホームページなどからご支援いただければと思います。私たちは将来的に必ず、日本の方々が差し出してくれたものに応えますので、よろしくお願い致します!」(下記の「世界ウイグル会議ホームページ」参照)
2010年9月の尖閣事件後、中国は、中国本土にいた日本人社員4人の身柄を拘束したり、日本へのレアアースの輸出を制限するなど、様々な形で圧力をかけ、これに屈した日本政府は、中国人船長を釈放した。今後、中国が何かしらの圧力をかけてくることも考えられるが、日本政府は「干渉しない」という立場を貫くべきである。
共産党の一党独裁体制である中国は、脅しをかければ自分たちの言い分が通ると考えているだろうが、国際社会では、それは通らないということを、毅然とした態度で教えてやるべきだ。(居)
【関連サイト】
活動資金の支援のお願い 世界ウイグル会議ホームページ
http://www.uyghurcongress.de/jp/?p=1390
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2011年3月号記事 国が滅ぶ理由 イリハム氏インタビュー (3ページ目)