PAC3(パック・スリー)とは、「地対空誘導弾パトリオット」のこと。要するに、相手の撃ってきたミサイルを迎撃するためのミサイル。

現在、北朝鮮が「人工衛星」と称して長距離弾道ミサイルを発射する準備を進めており、防衛省は、その飛行計画のルートに近い沖縄本島、石垣島、宮古島などの4カ所にPAC3を配備している。さらに7日は、軌道がそれた場合を想定して、首都機能を守るため、首都圏の3基地にもPAC3を配備した(計7カ所の配備)。

命中率には諸説あるが、7日にPAC3の配備状況を視察した渡辺周防衛副大臣は「命中率は8割を超えると確信している」と発言している。

パトリオットミサイルが実戦で使われたのは、1991年の湾岸戦争。当時はまだ迎撃率は低かったが、以後、改良を重ね、現在のPAC3に至っている。

なお、日本のミサイル防衛(MD)は二段階で行われる。

ミサイルが発射されたら、まずイージス艦に搭載されたレーダー「SPY1」(スパイワン)で探知、追尾する。日本の領土や領海にミサイルや部品が落下すると予測される場合、SM3(海上配備型迎撃ミサイル)を発射し、大気圏外で撃破する。

これに失敗した場合、PAC3が、地上に着弾する前に、地上数十キロ上空で迎撃することになる。

北朝鮮は6日、「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルの1段目部分を発射台に設置したと言われる。韓国メディアなどは14日に発射すると報じている。14日は、金正恩氏が13日の最高人民会議で国防委員長に就任する翌日で、15日の金日成の生誕100周年の前日に当たる。この14日を中心に、12日~16日の間で撃つ可能性が高いと予測されている。

今週後半からは北朝鮮情勢が緊迫する見通しだ。(村)