昨年4月、北京首都国際空港で脱税の容疑で強制連行され、81日間拘留された人権活動家・艾未未(アイ・ウェイウェイ)氏が、自宅兼スタジオに4台のウェブカメラを設置し、インターネット上に自らの行動の24時間公開を3日から始めた。

「昨年、私が81日も行方不明だった間、家族や友人はとても心配した。ちょうどその1年後となる今日、皆、また私の身を案じるだろうと思った。私はここにいる、と伝えられる彼らへのプレゼントだ」と艾氏はメディアに語っている。

釈放後も、中国政府は艾氏の自宅周辺に15台ものカメラを設置して監視し続けている。同氏は、「(ウェブカメラの設置は)私の秘密を知りたい当局へのプレゼントにもなる。しかし私に秘密はない。当局にも透明性を望む」とも語った。

拘留の容疑内容を「脱税」とした中国政府に対し、他の人権活動家や欧米諸国からは、「(艾氏の拘束は)人権保護活動に参加し、中国共産党を非難し続けていることが理由だ」と批判が相次いだ。

81日間の拘束後、当局は「本人が容疑を認めたこと、未納分の納付意思を示したこと」などを理由に艾氏を釈放したが、ニューヨークの人権NGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、国際社会が中国当局に圧力をかけた結果だとしている。

また、艾氏が追徴課税を受けたことに対して、中国のネットユーザーから「艾未未氏に金を貸そう」という支援運動も起こった。

同氏の母がメディアの取材に「所有する家を売ってお金を作る。ホームレスになってもかまわない」と答えたことからネットユーザーが動き出したのだ。彼らは、中国政府のネット検閲が及ばないTwitterやグーグルプラスなどの海外SNSを利用して募金活動を行ったという。

欧米諸国や、募金運動を行ったネットユーザーたちを、支援活動への思いに駆り立たせたのは、命懸けで政府の批判を世に訴え続ける艾氏の反骨精神だろう。

大川隆法・幸福の科学グループ創始者兼総裁は、2011年5月8日の質疑応答で、

「(中国を)平和な国にして、世界と協調できるようにしたいのです。中国に住んでいる人たちが、もっと幸福になれるようにしたいのです。政府の批判を一言も言えないような国、あるいは、神仏を信じているということが言えない国、あるいは、そういう本を出版することができない国は、やはりおかしい」

「この国をもう少し自由化するのは、神の正義にかなったことだと思います」

と答えている。

艾氏の自宅公開は、当局の命令を受け、ウェブサイトが4日夜以降、真っ白な画面しか見られなくなった。しかし艾氏の勇気が、中国の人々が政府による抑圧から解放される突破口になることを願いたい。(清)

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2011年12月号記事 中国13億人の幸福のために

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2011年6月24日付本欄 中国が艾未未氏を保釈した理由、内外の報道の差

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2245

2011年8月13日付本欄 艾未未氏、拘禁中の"心理的拷問"について語る

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=2611

2012年2月25日付本欄 釈放された艾未未氏は、今も自宅軟禁同然

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