すべての原発の廃炉を目標にした超党派勉強会「原発ゼロの会」を、民主党などの有志議員が27日に立ち上げた。今や「原発反対=正義」という空気が出来上がりつつあるが、この「正義」が曲者だ。

ちょうど40年前の1972年から放送されたアニメ「マジンガーZ」をご存知だろうか。正義の巨大ロボ・マジンガーZの動力は「光子力」。特殊鉱石の「核分裂の過程で抽出された」エネルギーなのだ。Zは設定上、一種の原子力ロボットらしい。

物語の第7話「あしゅら男爵の大謀略」は、こんな話だ。

悪のロボが街を破壊するが、マジンガーが来ると逃げていく。そして悪の幹部・あしゅら男爵が人間に化け、群集に演説を始めたのだ。「皆さん、この街が荒らされ、罪もない市民がこんな目に遭うのか。それは光子力研究所があるからだ」という扇動で、Zと光子力研究所への反対デモが起き、やがて世論となる。

Zの操縦者・兜甲児は査問委員会に呼び出され、研究所の閉鎖を宣告される。Zは戦わずして絶体絶命、という筋書きだ。

現実の日本で原子力が置かれている状況も、これと似てはいないだろうか。本当は東京電力も津波の被害者であり、人々に電力を安定供給していたのに、すべてが原発のせいにされている。

結局、マジンガーZのピンチは、「今、光子力を放棄したら、地上は悪魔の支配する星となる」と説く弓教授や、デモ隊に自宅に投石されても出撃した兜甲児の活躍により、悪の野望は打ち砕かれた。

原発をゼロにすれば、日本には核武装の潜在的能力がなくなり、核で日本を脅そうとする国には好都合だ。「原発を廃止しよう」とする一見、善意か正義に見える動きの奥に、日本を陥れようとする勢力があることを見抜かねばならない。(賀)

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2012年3月23日付本欄 脱原発はどこの国の国益に?

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3993