大阪市内を走るJR東西線の大阪天満宮駅のホームに、列車の発着と連動する可動式安全柵(ホームドア)の設置が進められ、28日から運用が開始される予定だ。
同じ東西線の北新地駅に次いで2駅目の設置だが、JR西日本がホームドアを設置しているのは、現在この2駅のみ。
大阪では市営地下鉄の内、新しく敷設された長堀鶴見緑地線や今里筋線の全駅にホームドアが設置済みで、千日前線と御堂筋線での設置が順次進められる予定だ。
狭い駅のホームは、視覚障害を持つ人にとっては、欄干の無い橋を歩くくらい危険な場所だとも言われている。
最近は、駅ホームでスマートフォンや携帯電話を見ながら歩く人が増え、画面に気を取られて急に立ち止まったりするために、すぐ後ろを歩いている人がぶつかったはずみに、ホームから転落する事故も起きているという。
2011年度上半期に、列車との接触で乗客が死傷した事故は119件。国土交通省の発表では、2011年末時点でホームドアを設置しているのは、たったの510駅。
1日の乗降客数が10万人超の駅には、優先的な導入が求められているが、設置済みはわずかに29駅。
機械メーカーでも、ホームドアの開発に力を入れ始めており、列車の車両によって扉の数や乗降位置が異なっても対応できるタイプを開発して、鉄道会社への売り込みをねらっている。
1駅あたり、現在は最低でも3億円程度はかかる設置費用も、設置数が増えれば増えるほど、量産効果によって価格が下げられるという。
人の命を守るための費用は惜しまず、どんどん設置を進めてもらいたいものだ。〈宮〉
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