米大統領選の共和党公認争いは、6日にいよいよ10州が予備選挙を行うスーパー・チューズデーを迎える。全米世論調査ではロムニー前マサチューセッツ州知事が支持を伸ばしているが、ここにきてギングリッチ元下院議長のエネルギー政策が注目を集めている。

ギングリッチ氏はこのほど、「ガソリン価格を1ガロン2.50ドルに」というキャンペーンを打ち出した。近年の3D技術などの発達で、石油が埋まっている場所の特定がより効率よくできるようになったことから、同候補は国内の石油採掘を大幅に増やしてエネルギーの自給をはかり、アメリカを世界一の石油生産国にするとしている。自身が訴えるフラット・タックスとの相乗効果もあり、100万件の新規雇用を見込む。イランがホルムズ海峡封鎖の脅しに出る中で、安全保障上の利点もある。

ガソリン価格は4ドル近くまで上昇しており、オバマ政権は批判にさらされているが、大統領はあくまでグリーン・エネルギーの推進を目指す意向だ。オバマ大統領は「環境配慮」を理由に、カナダとのパイプライン計画を延期している経緯もある。

予備選では劣勢に立たされているギングリッチ氏は、スーパー・チューズデーで選挙戦の立て直しを図る。地元ジョージアでは圧倒的な優位に立っており、テネシー州でも善戦して代理人を獲得したいところだ。

パワフルな新しい論点を提示するのはギングリッチ氏の強みといえる。同候補の巻き返しを期待したい。

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