2012年4月号記事
日米がついにインフレ目標を導入 "Newsダイジェスト"
日銀の金融緩和に本腰は入るか
日米の中央銀行が相次いで、インフレ目標の導入に踏み切った。
まずはアメリカ。1月25日、米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会で 年率2%のインフレ目標を導入することを決定 した。また、2014年終盤までゼロ金利を継続する予定も発表。
一方、日銀は2月14日の金融政策決定会合で追加金融緩和策を決めた。 そこで「中長期的な物価の安定のめど」を1%にすると明示。長期国債の買い入れ基金も10兆円増額し、65兆円とする追加緩和も決めた。
大手各紙はこの決定を「事実上のインフレ目標」と報じた。通常、インフレ目標という場合、達成時期と達成できなかった場合の措置を明らかにする。今回は日銀もFRBもそこまでは踏み込んでおらず、その意味では、厳密な意味でのインフレ目標ではない。
しかし、市場に与えたインパクトは小さくなかったようだ。14日の為替市場は、円安が進んで一時3週間ぶりの安値となる1ドル78円台となった。
それだけ、日銀がインフレ政策に転じるとは、誰も予測していなかったのだろう。