韓国のソウル陽川警察署が、いじめを放置した結果、女子生徒が自殺したとして、公務員の職務放棄容疑で担任の公立中学教諭を書類送検する方針を固めたことを、8日付東京新聞が報じている。

教師個人がいじめへの対応を怠った不作為を理由に刑事事件として立件するのは韓国で初めて。韓国の刑法には公務員の職務放棄罪があり、同署は「いじめの被害事実を知りながら適切な措置を怠ったため刑事責任を問える」と判断したという。

近年、韓国では、いじめによる生徒の自殺が相次ぎ、社会問題化。政府が教師の役割を重視する総合対策を6日に発表したばかりだった。

日本でも社会問題化している現代のいじめの特徴は、シカト(無視)や物を隠すといったささいなものが瞬く間にエスカレートし、自殺や殺人という最悪の結果を招いてしまう点だ。その多くは「犯罪」と化している。

こうした問題をいち早く捉え、大川隆法・幸福の科学総裁は2007年に、本誌上で『いじめ処罰法』(原案)を提言。同案の第3条では、「教員が、いじめに加担、黙認、参加した場合は厳罰に処す。(《注》懲戒免職、停職、免許剥奪、減給、戒告など。)」と、いじめへの対処法を示していた。

さらに、学校の指導の範囲を逸して凶悪化するいじめを「犯罪」として扱い、そうした事案には警察との連携によって解決することを提言している。

もちろん、いじめは教育現場で解決できることが望ましい。教師が、まだ未成熟である児童・生徒に対して全人格的な指導を行うことで正義感や倫理観を身につけさせ、他者を思いやれる人格を育てなければならない。

その上で、いじめが起こった場合には、教師が善悪の基準を明確に打ち出し、毅然とした態度で対処することが求められる。(浦)

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2007年3月号記事 教室に正義を!(4) 『いじめ処罰法』(原案)─大川隆法案─

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2012年2月7日付本欄 「いじめ」増加に転換 公教育に必要な宗教的真理

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3795