中国では昨年末から民主化を求める活動家に重い刑が次々と下される判決が相次いでいる。

12月23日に天安門事件の指導者の1人だった陳衛氏に懲役9年、同月26日には、人権活動家の陳西氏に懲役10年の実刑判決がそれぞれ下された。そして1月18日には、民主活動家の李鉄氏が、インターネットに発表した文章などが「国家政権転覆煽動罪」に問われ、懲役10年の判決が下されたと、李氏の家族が明らかにした。

著しい経済発展を続ける中国は、市場経済の場においては、西側の先進諸国との交流や経済活動が進み、日本人の日常生活も、すでに中国の存在抜きでは考えられない状態になっている。しかし、外交面では拡張戦略によって東アジアや東南アジアの周辺諸国に脅威を及ぼしつつあり、また国内政治においては共産党の一党独裁支配が続いて、民主化がなかなか進まない。

そんな中、中国で服役中の民主活動家、劉暁波氏を支援していた作家の余傑氏が、劉氏のノーベル平和賞授賞式前日の2010年12月9日に、公安当局者らによって自宅から連行され、その後、拷問を受けていたと、18日、訪問中のアメリカ・ワシントンDCでの記者会見で証言し、アメリカへの亡命を申請する考えを明らかにした。アメリカ側も、全面的な支援を約束したという。

余氏は、「中国政府は今、自国民を迫害しているばかりでなく、そのシステムをアフリカなど他の国々へ輸出している」「欧米諸国は中国の人権問題に目をつぶっている。しかし、それは彼ら自身の利益も損なうことになる」と訴え、国際社会に対し中国への圧力を求めている。

余氏は、中国が認めないプロテスタントのキリスト教徒であるそうだが、信仰の自由、言論・表現の自由を認めない中国は、開かれた国際社会の一員となることはできないということを知り、真の自由を保障する国となるべきであろう。〈宮〉

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