北朝鮮北部の清津という地方都市で、「金正恩体制では未来がない」と批判し、「金正恩打倒」を訴えるビラが大量に見つかったと、韓国の脱北者保護の民間団体が20日明らかにした。
周辺の道路を治安当局が全面封鎖して「犯人」の逃走を阻止するとともに、この地域で携帯電話がつながらないよう、妨害電波も出されているという。金正恩氏としては、体制批判は徹底的にその芽を潰しておかねばならないということだろう。
後継者の金正恩氏に対し国民が反旗を翻さないためには、まずは「食わせる」ことができるかどうかが問題になる。そのために、北朝鮮は各国に食糧支援を要請するなどして、食べ物をかき集めようとしている。地方でストップし、都市部でも途切れがちな配給制度を完全復活させようという狙いだ。
一方、中国は3~4月に数十万トンの食糧支援に動き出している。また、昨年、北朝鮮は中国からトウモロコシを大量に輸入。一昨年と比べて7割近く増えている。
アメリカに対しては、今年に入ってからの米朝間の協議でトウモロコシの食糧支援を求めた。例によって、北朝鮮が核開発のためのウラン濃縮活動を凍結することと引き換えに、アメリカが支援を与えるというもの。しかし、アメリカ側は軍などへの横流しを避けるため乳幼児らのための栄養補助食品の供与を打診している。
中国もアメリカも、北朝鮮への食糧支援を「人道的」に行うとしている。しかし、「非人道的」に北朝鮮国民を苦しめている金正恩体制を温存することになり、食糧支援は決して「人道的」なものではない。国際社会は、貧困や飢餓に苦しむ北朝鮮国民を救うことを真剣に考えるべきだ。(織)
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