ニューハンプシャー州で10日に行われた米大統領選の予備選挙では、ミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事が連勝を収め、共和党の公認獲得にさらに一歩近づいた。前回のアイオワ党員集会での勝利によってロムニー氏は支持を拡大しており、次の予備選があるサウスカロライナでも、ニュート・ギングリッチ元下院議長から首位を奪っている(リアル・クリア・ポリティクス集計)。

同性愛や妊娠中絶といった問題への立場をめぐって、穏健派のロムニー氏は保守派からの支持をこれまで十分に集めきれずにいたが、10日のギャラップ社の調査では保守派の過半数がロムニー氏を候補として受け入れられると答えている。保守基盤が根強く、これまで苦戦していたサウスカロライナでもロムニー氏が勝利を収めれば、共和党公認指名への弾みとなる。保守層にとっては、これまで複数候補に分かれていた反ロムニー票を一本化できるかが、選挙戦の命運を握りそうだ。

予備選挙の舞台は南へと向かうが、次のサウスカロライナ、その次のフロリダ両州とも、失業率が全米レベルよりも悪く、経済と雇用の問題がいよいよ焦点となりそう。経済と雇用は本選挙でもメイン・テーマとなる最重要課題の一つであることから、予備選挙で各候補がどのような政策を打ち出し、論戦を繰り広げるのかが注目される。

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2012年1月4日付本欄 米大統領選 ロムニー氏が先勝で有利に

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=3638