ロシア下院選での不正に抗議する大規模なデモが10日、ロシア各地で行われ、参加した人々は下院選のやり直しやプーチン首相の辞任などを求めた。

4日に投票があった下院選は、大勢が判明した5日以降、プーチン首相が党首を務める与党「統一ロシア」が238議席(得票率49.32%)を獲得。しかしその後、統一ロシアが選挙の不正に関与したことがインターネットなどで暴露され、各地でデモが起こっていた。

10日のデモは、ソ連崩壊後、最大規模とも言われ、50以上の都市で開かれた。クレムリン(大統領府)がある首都モスクワでは主催者発表で4万人が参加(警察発表は2万5千人)。人々は「自由のない選挙は恥だ」「プーチンなきロシアを」などと訴えた。

今回のデモで大きな役割を果たしたのは、フェイス・ブックなどのソーシャル・メディアで、日頃、政治に関心のない若い層や高齢者も参加したという。「アラブの春」ならぬ、「ロシアの春」と言ったところか。

この動きが、3月の大統領選にどのような影響を及ぼすかは定かではないが、強権的なプーチン氏は、国民が求める「自由」や「正義」に配慮せざるを得なくなることは間違いない。

お隣の中国は、自由の波が世界を覆い始めていることに戦々恐々としているだろうが、日本は、ロシアの民主化が進むことを願いつつ、対中国をにらんで、ロシアの新政権とも協力関係を築かねばならない。(格)

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2011年12月6日本欄 ロシア下院選で与党に「票の水増し」の強い疑いが(FT)

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2011年11月号記事 ロシアのアジア・シフトを対中バランスに生かせ"Newsダイジェスト"

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