野田首相は株価を上げるつもりがないらしい。
29日の参院財政金融委員会で、証券優遇税制について「さらに延長することはない」と述べた。
優遇税制とは、株式の譲渡益や配当にかかる税率を本来の20%から10%に引き下げたことで、2003年に導入された。以降、延長を繰り返し、現在に至っている。延長しなければ、2013年12月末に期限が切れて20%に税率が戻る。
何もこの株安で苦しんでいるときに、打ち切り宣言をしなくてもいいだろう。ひょっとしたら、株価が安いことが日本経済に大きなダメージを与えていることを知らないのかもしれない。
むしろ、優遇税制ではなく、恒久減税にするべきだ。これだけ株式市場が冷え込むと、恒久減税にしたからといって株高要因にはなりにくいが、税率を倍にして、わざわざ株安要因をつくる必要はない。
今必要なのは株高政策だ。未来の希望を示し、具体的な政策を策定し、着実に実行に移す。そうすれば企業活動は活発化し、株価は上がる。
しかし、これまで株価そのものを政策として発表した政党は、幸福実現党くらいだ。
経済を活性化させなければ税収は伸びないという基本原則をもう一度確認したい。(村)
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