衆院小選挙区の「1票の格差」を是正するため、選挙制度改革をめぐる与野党の協議が始まっている。

3月に最高裁が09年の衆院選について「違憲状態」と判断したことを受けたもの。

民主、自民両党は、区割りの変更や比例定数の削減など、現行制度の修正を提案。

かねて中選挙区制復活を唱えていた公明党は、小選挙区比例代表連用制や併用制などを主張。社民党も併用制導入を要求している。

連用制は、小選挙区での獲得議席が少ない政党を優遇する形で比例代表の議席を配分する制度。

併用制は、比例代表での得票に応じて各党に議席を配分し、小選挙区で勝った候補者から順にその枠に入る制度。

いずれも中小政党に有利とされる。

共同通信社がこのほど、09年の衆院選のデータに基づいてシミュレーション(総定数480、小選挙区300)を行った。連用制では、民主党が308→232議席。自民党は微増。公明党が21→49議席。共産党が9→29議席となった。

併用制では、民主党が226議席。自民党は同じく微増。公明党が54議席。共産党33議席。幸福実現党は3議席を獲得する。

連用制、併用制とも、自民党は微増だが、民主党が激減することになるため、今回の選挙制度改革ではまず実現しないとみられるが、公明党が今後、連立政権に参加する展開になれば、可能性がないわけではない。(織)