アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏が5日、がんで亡くなった。56歳だった。偉大な発明家としての功績に敬意を表し、2005年6月、スタンフォード大学の卒業式における彼の有名なスピーチから「最高の発明品」に関する部分を引用する。

当時50歳のジョブズは、1年前にすい臓がんを診断されたと話した上で、若者たちへの祝辞の最後に「死」について語る。

「No one wants to die. Even people who want to go to heaven don't want to die to get there. And yet death is the destination we all share. No one has ever escaped it. And that is as it should be, because Death is very likely the single best invention of Life. 」

(誰だって死にたくはありません。天国に還りたがっている人も、そのためにわざと死のうとは思いません。それでもやはり、死は私たち全員に共通の目的地です。死から逃れた人は誰もいませんし、それでいいのです。なぜなら死というものは、おそらく、生が生んだまさに最高の発明品だからです)

「It is Life's change agent. It clears out the old to make way for the new. Right now the new is you, but someday not too long from now, you will gradually become the old and be cleared away. Sorry to be so dramatic, but it is quite true.」

(死は生のチェンジエージェント=変革者です。死は古いものを一掃し、新しいものに道を開きます。今この瞬間、新しいものとは君たちのことです。けれども、いつの日かそう遠くない将来に、君たちはだんだん古くなって一掃されるでしょう。芝居がかった言い方ですみませんが、本当にそうなのです)

そしてスピーチは、ジョブズの最も有名な言葉の一つである次のフレーズへと続く。

「Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. 」(君たちの時間は限られています。だから、ほかの誰かの人生を生きて、自分の時間を無駄にしないでください)

大川隆法総裁は著書で、人間が生と死を繰り返す転生輪廻のシステムについて「これこそが、実は、仏の発明した最大の幸福論かもしれない」と述べている。死が「生の最高の発明品」だというのは、偉大な発明家ジョブズにふさわしい悟りの言葉だ。彼は今、天国であの笑顔を浮かべ、神の最高の発明品の手触りを満喫していることだろう。(司)

【関連書籍】『宗教選択の時代』(引用箇所は第1章)

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