野田新政権発足後、初めての政府税制調査会が7日に開かれた。会合の冒頭では、野田首相が東日本大震災の復興財源を賄う臨時増税(復興増税)の必要性を訴えたものの、異論が続出した。

「短期間の返済になれば、経済の足を引っ張る要因になる」(松原仁・国土交通副大臣)、「党内の圧倒的な意見は反対だ」(福田昭夫・総務政務官)、「安易に増税して経済の悪化を招き、逆に将来に負担を送ることになるとの議論がある」(森裕子・文部科学副大臣)。

また、連立を組む国民新党の亀井静香代表も同日、「井戸が壊れて水もたまっていないときに、水のくみ上げだけを考えても物理的に不可能」と臨時増税に否定的な考えを示した。

税調は、来週中にも具体的な増税策を復興対策本部に提示して、今月内の与野党合意を目指すが、初会合からすでに波乱含みの展開。この混乱の背景には、小沢一郎元代表のグループなど増税反対派が新たに税調メンバーに加わった影響もある。だがいずれにしても、復興増税が実現すれば、そのすぐ後にやってくる消費税率の引き上げ実現のハードルが低くなるのは間違いない。

増税をめぐる議論には、民主党内以外の他党にもさまざまな思惑があるだろうが、国民や国そのものの盛衰を真剣に考えれば増税などしてはいけない。(格)