2日、野田内閣が発足した。各グループに配慮した「党内融和」や、代表選で支えた議員を登用する「論功行賞」による「ムラ社会内閣」ぶりが際立つ布陣である。
閣僚は17人。野田グループ(以下G)から2人(藤村官房長官、蓮舫行政刷新相)、代表選の決戦投票で野田氏の支持に回った前原Gから3人(小宮山厚生労働相、細野環境・原発担当相、古川国家戦略相)が入閣。
また、代表選で海江田氏の支持に回った小沢Gから2人(一川防衛相、山岡国家公安委員長)、菅Gから1人(平岡法務相)、羽田Gから1人(前田国土交通相)、旧民社党系Gから1人(川端総務相)、旧社会党系Gから1人(鉢呂経済産業相)を入閣させている(※複数のGにまたがって所属する議員もいる)。
他にも、代表選で野田氏を支持した人物を、玄葉外務相、安住財務相、中川文部科学相とし、代表選に出馬した鹿野農林水産相を続投、連立相手の国民新党の自見郵政改革・金融担当相を続投し、岩手県選出の平野氏を復興・防災担当相に起用した。
8月30日の党三役人事でも、旧社会党系Gであり小沢G筆頭格でもある輿石氏 を幹事長、前原氏を政調会長、鳩山Gの平野氏を国対委員長に起用したことを考えれば、党内融和に徹した見事なまでの「ムラ社会内閣」と言える。
万が一、党内最大勢力である小沢Gが反旗を翻せば新政権はすぐにでも吹き飛ぶこと、野田首相自身の党内地盤が弱いことなどを考えると、首相の最大の関心事が「党内融和」になるのは避けられないのかもしれない。
だが、世界に目を向ければ、中国や北朝鮮の軍事的脅威の拡大、同盟国である米国の軍事力の低下、中東・北アフリカで政情の不安定化などが進み、国内でも、長引くデフレ不況や企業の海外脱出、原発の稼働停止による電力不足の不安など、さまざまな課題が山積している。
野田首相がこうした問題より党内融和を優先し続ければ、気づいたときには日本が衰退し、どの国からも相手にされない二流国へと転落しているだろう。「党内融和で、国滅ぶ」では笑えない。(格)
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