中国の高速鉄道が23日午後8時半頃、浙江省で脱線事故を起こし、一部車両が高架橋から転落、死者が少なくとも35人に上っている。日本人は含まれてない模様。新華社はじめ各紙で報じている。
落雷で停車していた列車に後続の列車が追突する形で今回の大惨事となったと見られる。
中国は2005年から高速鉄道の整備を始め、昨年末には総延長約8千キロに達していた。
今年6月末には「北京-上海」間(中国版新幹線)も開通したが、本欄でも伝えたように、故障続きで、運行に不安が生じていたところだった。
今回事故を起こした車両は日本のメーカーから技術供与を受けた「和諧号」だが、高速鉄道は車両の技術だけで成り立つものではなく、運行システム全体で一つの技術になっている。日本の新幹線の安全神話は、そうしたノウハウの集積の上に成り立っている。
中国の場合、あまりに急ピッチの技術開発や路線拡大に、運行面、システム面での不安が取り沙汰されていたが、それが現実になってしまった。
今さらではあるが、もう一段、日本の技術に学ぶ必要がある。(村)