昨年12月2日に米航空宇宙局(NASA)が「地球外生命体の発見」として鳴り物入りで記者会見した内容が、猛毒のヒ素を摂取して生きる細菌の発見だったことは、記憶に新しい。

「GFAJ-1」と呼ばれる細菌は米カリフォルニア州のモノ湖で発見されたもので、DNAに通常含まれるはずのリンがヒ素に置き換わっていて、猛毒のヒ素を食べて生きる、生物学上ありえない発見であった。

今、これに対する疑問を投げかける論文が、米科学誌サイエンスに発表された。すなわち、「ヒ素はDNAの中では不安定」「体内に取り込んだだけ」など、問題的を指摘しているという。NASAの実験過程でヒ素が混入したのではないかとさえ論じているものもあるそうだ。生物学の定義を揺るがす発見なだけにこうした議論は予想された通りのものだろう。

NASAはこれに対して反論し、実験方法は適切、最も合理的な説明だとして、一歩もひるまない構えだ。そこにNASAの沽券とプライドもあるだろうが、そんなレベルを超えた、地球人の常識を覆すさらなる新発見や事態をNASAは予想しているのではないだろうか。(ア)

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